第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(口演)

リハビリテーション

[O68] 一般演題・口演68
リハビリテーション05

2019年3月1日(金) 15:00 〜 16:00 第20会場 (グランドプリンスホテル京都B2F ゴールドルーム)

座長:茂呂 悦子(学校法人自治医科大学 自治医科大学附属病院看護部)

[O68-5] 救急病棟における安全な早期離床・リハビリテーションの仕組み作り その1~フローシートの作成と運用~

福島 雅多佳, 藪 亜里子 (さいたま赤十字病院)

【背景】救急病棟入院患者のADL低下を予防する為看護師として出来る事はないか関心を持った。そこで、適切かつ安全に早期離床・リハビリテーション(以下早期リハと略す)を実施するための仕組み作りを行った。【目的】救急病棟において安全に早期リハを実施するための仕組み作りを行い、実践する。【方法】1.研究デザイン:介入研究2.対象患者:2018年3月~5月A病院救急病棟入院患者3.介入方法:各チェックシートを作成し、以下の内容をフローシートに記載する。1)入院時に「早期リハ適応チェックシート」を記入し、適応患者を抽出する。2)入院翌日に早期リハカンファレンスを開催する。「早期リハの可否チェックシート」を記入し、実施の可否を医師に相談する。実施内容は看護記録に記載する。3)看護計画を立案し、翌日・3日目・5日目・その後1週間毎に評価する。実施状況や評価は看護記録に記載する。4)転棟・転科時、退院時、自立歩行可能となった時は早期リハを終了とする。4.主要評価アウトカム:早期リハ対象者数、カンファレンス実施率、看護計画立案率、看護記録内容、アンケート結果【結果】早期リハのフローシート周知のため、複数回の勉強会や伝達講習会を開催した。病棟看護師の理解度は3月80.0%、4月75.0%、5月88.2%であった。早期リハ適応患者数は3月74人、4月79人、5月74人であり、早期リハカンファレンス実施率は3月60.9%、4月69.2%、5月63.2%(記録不備の場合は計上せず)であった。フローシートに沿い正確に看護計画が立案された割合は3月48.7%、4月37.8%、5月50.0%、そのうち実施・評価された割合は3月79.0%、4月82.4%、5月77.8%であった。実施中、中止基準に該当した件数は3月3件、4月1件、5月2件で、「血圧低下」「不穏状態」等であり、いずれも基準に則って中止されていた。中止基準については、92.3%の看護師が「安全性に繋がると思う」と答えた。早期リハ開始後、病棟看護師の78.4%が「意識の変化があった」と回答し、「リハビリに対する意識・意欲が向上した」等の意見があった。【結論】1.早期リハのフローシートを作成し、開始及び中止の基準・手順を明確化することで、安全性を確保しながらリハビリを実施出来た。2.勉強会や伝達講習会を実施することで、病棟看護師の理解度・関心度の上昇に繋がった。3.フローシートに沿って早期リハの介入を行ったが、計画立案や実施の評価・記録が不十分であった。