第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(口演)

リハビリテーション

[O69] 一般演題・口演69
リハビリテーション06

Fri. Mar 1, 2019 4:00 PM - 4:50 PM 第20会場 (グランドプリンスホテル京都B2F ゴールドルーム)

座長:三島 健太郎(順天堂大学医学部附属練馬病院 救急・集中治療科)

[O69-6] ICUにおける多職種チームによる心臓血管外科術後の離床開始基準作成に向けた取り組み

宮川 幸大1, 藤江 亮太1, 松田 憲昌2, 釜鳴 紗桐2, 立野 淳子3, 丸山 美紀3, 有田 孝3, 福地 祐亮4, 山中 美沙紀5, 坂口 元一6 (1.小倉記念病院 リハビリテーション課, 2.小倉記念病院 麻酔科・集中治療部, 3.小倉記念病院 看護部, 4.小倉記念病院 薬剤部, 5.小倉記念病院 工学部, 6.小倉記念病院 心臓血管外科)

【目的】 ICUにおける心臓外科術後の治療および離床を円滑に進めるため,2017年10月より多職種チーム (構成メンバー;心臓血管外科医師,麻酔科医師,急性・重症患者看護専門看護師,集中ケア認定看護師,ICU看護師(Ns),薬剤師,臨床工学技士,理学療法士(PT))による回診を平日行い,患者状況,本日の治療方針,リハビリ内容を共有している。 本学会で提案されている「早期離床や早期からの積極的な運動の基準」(以下ガイドライン)に 準じた離床開始基準を作成するにあたり,当院の現状を調査比較し,必要な項目を検討した。【倫理的配慮】発表にあたり,当院倫理委員会の承認を得た。【方法】 2018年8月6日から8月24日の期間に当院心臓血管外科で手術を行なった39例のうち,術翌日に ICU退室せず,PTとNs共同で初回離床を行なった20例を対象とした。初回離床時の患者状態がガイドラインの指標の基準値を満たしているか,初回離床成功の有無,ICU入室後抜管までの時間, ICU入室後初回離床開始までの時間について調査を行なった。【結果】 20例については平均年齢75歳,男性11例,女性9名,開心術19例,開腹術1例(緊急4例,準緊急1例,待機15例)でICU入室後抜管までは中央値13.4時間,初回離床までは中央値23時間であっ た。初回離床は端座位11名(9名がスワン・ガンツカテーテル挿入中),車椅子座位3名,歩行6 名であった。車椅子および歩行実施患者は全例成功したが,端座位実施患者のうち5名が疼痛増強 (4名),倦怠感出現(1名)のため途中で中止となった。ガイドラインの指標のうち「疼痛」以外の項目については概ね基準値を満たしていた。「疼痛」に関しては6例が初回離床開始1-2時 間前に鎮痛薬(アセトアミノフェン)を使用していたがNRS4-8と基準値(NRS3以下)を逸脱 しており,このうち4名が端座位中に疼痛が増強し中止となった。【考察】 初回離床開始前の安静時疼痛がNRS4以上の場合は事前に鎮痛薬を使用しているにも関わらずコン トロールが不十分な症例があった。初回離床を成功させ,離床をスムーズに進めていくためには疼 痛コントロールの方法についてチーム内で検討する必要があると考えられた。