[O75-5] 当院ICU栄養カンファレンスによる目標栄養量の達成及び患者予後に関する検討
背景: 近年日本版重症患者の栄養療法ガイドラインが作成される等、集中治療領域における栄養療法の必要性は認識されているものの確立したエビデンスは明らかとなっていない。
目的: 当院ICUでは2017年7月より毎週2回、集中治療医師、ICUリーダー看護師、管理栄養士の3職種にて栄養カンファレンスを行なっている。今回はICU栄養カンファレンス開始に伴う栄養療法の介入によるICU入室初日と7日時点の経腸栄養による目標栄養量の達成率と病院在院日数を比較し有用性について検討した。
方法: 本研究は後ろ向き観察研究であり、ICU栄養カンファレンス開始前の2017年1月1日から5月31日をA群、開始後の2018年1月1日から5月31日をB群とし、同期間に7日以上ICUに入室していた患者のうち在室中に経腸栄養を開始した計87例について、ICU栄養カンファレンス開始に伴う経腸栄養の開始時間および目標値に対する投与エネルギーとタンパク質の達成率、早期経腸栄養開始に伴う有害事象の発症状況、ICU並びに病院在院日数について比較検討した。
結果: 表参照。経腸栄養の開始時間は34時間以上短縮し、投与エネルギーおよびタンパク質の達成率と合わせて有意差を認め改善した。経腸栄養開始7日目の投与タンパク質の平均はB群において100%を超える結果となったがそれに伴う透析導入患者の増加や腎機能の低下、排便コントロールの悪化は認めなかった。一方でICU並びに病院在院日数は短縮したものの有意差は認めなかった。
結論: 多職種栄養カンファレンスの開始が一因となり栄養療法の質的改善が示された。
目的: 当院ICUでは2017年7月より毎週2回、集中治療医師、ICUリーダー看護師、管理栄養士の3職種にて栄養カンファレンスを行なっている。今回はICU栄養カンファレンス開始に伴う栄養療法の介入によるICU入室初日と7日時点の経腸栄養による目標栄養量の達成率と病院在院日数を比較し有用性について検討した。
方法: 本研究は後ろ向き観察研究であり、ICU栄養カンファレンス開始前の2017年1月1日から5月31日をA群、開始後の2018年1月1日から5月31日をB群とし、同期間に7日以上ICUに入室していた患者のうち在室中に経腸栄養を開始した計87例について、ICU栄養カンファレンス開始に伴う経腸栄養の開始時間および目標値に対する投与エネルギーとタンパク質の達成率、早期経腸栄養開始に伴う有害事象の発症状況、ICU並びに病院在院日数について比較検討した。
結果: 表参照。経腸栄養の開始時間は34時間以上短縮し、投与エネルギーおよびタンパク質の達成率と合わせて有意差を認め改善した。経腸栄養開始7日目の投与タンパク質の平均はB群において100%を超える結果となったがそれに伴う透析導入患者の増加や腎機能の低下、排便コントロールの悪化は認めなかった。一方でICU並びに病院在院日数は短縮したものの有意差は認めなかった。
結論: 多職種栄養カンファレンスの開始が一因となり栄養療法の質的改善が示された。