[O80-3] 当院ICUにおけるM&Mカンファレンスの分析
【緒言】当院ICUでは2015年12月から医師主動のM&Mカンファレンス(MMCs)を開始した。MMCsは診療の質や診療に関わる安全性を改善できるとされる。【目的】およそ2年半にわたる当院ICUにおけるMMCsを分析しその効果を示すこと。【対象、材料】2015年12月から開始した当院ICUにおけるMMCsの84例。MMCsは何が起きたか?(What?)何故起きたか?(Why?)どうすべきであったか?(How?)の形式で進め、個人攻撃は禁止とした。ディスカッションの最後はTake home messagesでまとめとした。MMCsはPen PlusTMで記録され、MMCs の結果は病院PC端末のICU特定のフォルダ内に保存されていた。当フォルダは原則外部非公開である。名称はM(morbidity)&M(mortality)であるが合併症の他に、日常診療に起きたいわゆるヒヤリハットのような事例についても話し合いをしていた。【方法】MMCs全例を振り返った。症例を合併症、死亡症例、その他のインシデントに分類した。合併症とインシデントはそれぞれさらに小項目に分別した。MMCs記録の最後に記してあるTake home messagesから得られた効果を調査した。【結果】2018年9月時点で症例数は全部で84例であった。死亡症例34例(40%)、合併症31%、インシデント29%であった。カンファレンスを行った結果、少なくとも5件以上の新たなプロトコールやパスが作成され、一部ではプロトコールの改訂が行われていた。ディスカッションされたMMCsのいくつかは麻酔科との合同カンファレンスにおいても切り口を変えて話し合われ、学会発表もなされた。【考察】今後はさらに症例数を増やし、階層化も進め、新たな分析を加える。MMCsの効果としては、変わりゆくローテータ、スタッフに対するシステム、プロトコールの周知徹底も見込まれた。他施設のMMCs効果と比較したり、文献から得られた知見も参考にして考察を深める。【結語】当院ICUにおけるM&Mカンファレンスの分析を行った。その明らかな効果として新たなプロトコールやパスの作成・改訂が行われていた。