[O81-3] 救命救急センターから地域病院へ転院して24時間以内に死亡した4症例の検討
【緒言】救命救急センターにより集学的治療を行った後、地域医療機関へ転院したものの1日で死亡した4症例を経験した。患者背景を調べ、高次医療機関として転院時に留意すべきことを検討した。【対象】2016~2018年の3年間、当院で救急蘇生され集中治療後に転院したが、転院後1日で死亡した症例。【結果】対象は4例で37~82歳(58.3±19.3)、男性3例、女性1例。当院搬入時は肺炎、気管腕頭動脈瘻、一酸化炭素中毒、骨盤骨折でいずれも医療機関からの紹介事例であった。入院日数は10~51日(31±20)で、退院時のGCSは3~9点(6.8±2.9)、3例が経鼻経管栄養で1例が胃瘻経管栄養。4例とも気管切開状態で強制換気2例、補助換気2例であった。転院先の病床数は129~350床(244.5±103.0)で一般病床率(一般病床数/全病床数)は17.1~69.8%(43.4±21.8)であった。【考察】転院時、全症例で意識障害があり、気管切開と経管栄養が実施され、全介助の状態であった。急変の原因は呼吸器系と推定された。看護度は依然高い状態であり、転院先でスタッフが該当患者の管理に不慣れな状態で死に至った可能性が示唆された。自施設での患者管理だけでなく転院先の管理を含めた包括的な集中ケアシステムの構築が必要と考えられた。【結語】意識障害、気切、経管栄養、全介助状態などで看護必要度が高い症例では、転院後早々の急変についても説明と同意を得ておく必要があるかもしれない