[O81-7] 人工呼吸器患者における早期離床の実施率およびエキスパートコンセンサスによるリスク分類の判別
【背景】
気管挿管患者における早期モビライゼーションの実施率は依然低く、本邦における報告は少ない。Hodgsonらは、気管挿管患者のモビライゼーションを促進するためエキスパートコンセンサスとして信号機のシステムを使用した安全基準を公表した。
【目的】
本研究は、(1)気管挿管患者のモビライゼーションの実施率、(2)Hodgsonらのリスク分類における実施率を明らかにすることで当院の現状を評価することを目的とした。
【方法】
2018年4月から8月までにICUに入室、24時間以上挿管呼吸管理された連続44例を対象とした。対象者の背景は年齢;中央値74(IQR65-82)歳、APACHE2;中央値19(IQR13-21)点であった。また入院前のClinical Frailty Scaleは中央値5(IQR3-7)であり、24例(54%)はADLに介助を要した。これらの対象者の気管挿管中におけるICU mobility scale(IMS)を調査した。活動状況はIMS0(能動的な運動がない)、IMS1-2(ベッド上での運動・他動的な移乗)、IMS≧3(ベッド外での運動)に分類した。さらに、Hodgsonらのエキスパートコンセンサスより気管挿管中におけるモビライゼーションのリスクを低リスク、潜在的リスク、高リスクに分類した。
【結果】
対象者44例の気管挿管している日数は合計171日であった。このうちIMS≧3以上の活動は17件であり、9.9%であった。歩行は0件であり、モビライゼーションの最高到達レベルはIMS6(足踏み)であった。またリハビリテーションの施行は112件であり、実施率は65%であった。リスク分類別における活動状況は低リスクと分類された18件のうちIMS0は5件(28%)であった。また高リスクと分類された62件ではIMS≧3の活動は3件(5%)であった。この3件において高リスクに分類された項目は全件ともRASS<-2のみであった。有害事象は0件であった。
【結論】
高リスクに分類され、モビライゼーションが施行された症例のリスク因子は全例RASS<-2であり、その他のリスクがなければ絶対的な禁忌とはならないかもしれない。また低リスクに分類され活動が全くない件数が28%と高率であったが、後方視的な調査のためモビライゼーションの障壁を明らかに出来なかった。
気管挿管患者における早期モビライゼーションの実施率は依然低く、本邦における報告は少ない。Hodgsonらは、気管挿管患者のモビライゼーションを促進するためエキスパートコンセンサスとして信号機のシステムを使用した安全基準を公表した。
【目的】
本研究は、(1)気管挿管患者のモビライゼーションの実施率、(2)Hodgsonらのリスク分類における実施率を明らかにすることで当院の現状を評価することを目的とした。
【方法】
2018年4月から8月までにICUに入室、24時間以上挿管呼吸管理された連続44例を対象とした。対象者の背景は年齢;中央値74(IQR65-82)歳、APACHE2;中央値19(IQR13-21)点であった。また入院前のClinical Frailty Scaleは中央値5(IQR3-7)であり、24例(54%)はADLに介助を要した。これらの対象者の気管挿管中におけるICU mobility scale(IMS)を調査した。活動状況はIMS0(能動的な運動がない)、IMS1-2(ベッド上での運動・他動的な移乗)、IMS≧3(ベッド外での運動)に分類した。さらに、Hodgsonらのエキスパートコンセンサスより気管挿管中におけるモビライゼーションのリスクを低リスク、潜在的リスク、高リスクに分類した。
【結果】
対象者44例の気管挿管している日数は合計171日であった。このうちIMS≧3以上の活動は17件であり、9.9%であった。歩行は0件であり、モビライゼーションの最高到達レベルはIMS6(足踏み)であった。またリハビリテーションの施行は112件であり、実施率は65%であった。リスク分類別における活動状況は低リスクと分類された18件のうちIMS0は5件(28%)であった。また高リスクと分類された62件ではIMS≧3の活動は3件(5%)であった。この3件において高リスクに分類された項目は全件ともRASS<-2のみであった。有害事象は0件であった。
【結論】
高リスクに分類され、モビライゼーションが施行された症例のリスク因子は全例RASS<-2であり、その他のリスクがなければ絶対的な禁忌とはならないかもしれない。また低リスクに分類され活動が全くない件数が28%と高率であったが、後方視的な調査のためモビライゼーションの障壁を明らかに出来なかった。