第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(口演)

呼吸 研究

[O85] 一般演題・口演85
呼吸 研究04

2019年3月2日(土) 11:15 〜 12:15 第10会場 (国立京都国際会館1F Room C-1)

座長:小野寺 睦雄(倉敷中央病院集中治療科)

[O85-1] ネーザルハイフローArivo2にUPSを搭載した装置による呼吸リハビリテーションの経験

相馬 泉1, 早坂 啓佑1, 酒井 基広1, 金子 岩和1, 峰島 三千男2, 野村 岳志3 (1.東京女子医科大学 臨床工学部, 2.東京女子医科大学 臨床工学科, 3.東京女子医科大学 集中治療科)

【目的】我々はこれまで、人工呼吸器装着患者に対し呼吸器装着のまま歩行するなどのリハビリテーションを積極的に実施してきた。今回、ネーザルハイフロー専用装置Arivo2(フィッシャーアンドパイケル社)に医療用UPSを搭載した装置を用いたリハビリテーションを実施したので報告する。【方法】Arivo2はタービンを用いた装置であり酸素と電源のみで稼働可能な装置である。この装置に医療用UPSであるニシム電子工業(株)社製NUP-1000ULを搭載し移動可能な装置とした。また、500L酸素ボンベ2本を設置できるボンベスタンドを用意した。UPSの稼働状態を把握するため満充電に要する時間と60L/minにてArivo2を稼働させた場合のUPS使用時間を調査した。また、実際の呼吸リハビリテーションを行い、装置使用状態を観察した。【結果】UPSは約16時間で満充電となり60L/minで約40分間Arivo2の稼働が可能であった。UPSの重量は16.5kgであるが、足元に設置することにより患者自身で押しながらの歩行が可能であり、歩行リハビリテーションが有効であった。また、CT検査や病棟への搬送時に用いることも可能であった。【結語】今回、ネーザルハイフロー専用装置Arivo2にUPSと酸素ボンベスタンドを組み合わせた装置を使用し、呼吸リハビリテーションを実施した。患者自身での歩行が可能であり早期離床につながる可能性も含め、その有用性が示唆された。