第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(口演)

循環 症例

[O90] 一般演題・口演90
循環 症例05

2019年3月2日(土) 17:50 〜 18:40 第10会場 (国立京都国際会館1F Room C-1)

座長:徳山 榮男(かわぐち心臓呼吸器病院)

[O90-6] 心原性ショックに対するECPELLAの初期導入経験

青山 英和1, 石黒 宣夫1, 大城 規和2, 亀谷 良介1, 大橋 壯樹2 (1.名古屋徳洲会総合病院 循環器内科 救急科, 2.名古屋徳洲会総合病院 心臓血管外科)

【背景】Impellaは左心補助人工デバイスの一つであり、2017年9月に保険収載され、当院では2017年12月から導入された。左室脱血、上行大動脈送血を可能にする経皮的ポンプカテーテルであり、心拍出量の増加、左室負荷の軽減をもたらす。当院での経験はまだ少ないが、現時点でVA-ECMOとImpellaを併用するECPELLA、で使用する割合が最も多い。従来のVA-ECMOと比較し、Impellaのもつ左室unloadingを活かした、早期の強力な肺うっ血の解除が可能であり、海外ではECMO単体と比較し30日後の生存率が改善する、との報告がなされている。【目的】当院におけるECPELLAの初期導入経験を検討、報告する。【対象】2017年12月から2018年8月に導入したECPELLA16件(患者数14例)。【結果】平均年齢は67.3±11.5歳、男性 75%、デバイス内訳はImpella 2.5/5.0で12/4件であった。基礎心疾患・導入理由は虚血性心筋症(3)、非虚血性心筋症(2)、心筋炎(1)、AMI(6)、PCCS(2)、upgrade(2)。 うち、OHCA 2例、IHCA 6例であった。当院の治療戦略はまずECMOの早期離脱を目指し、Impellaの単独補助に移行する方針である。平均補助期間はImpella 5.0±3.6日、V-A ECMO 3.9±4.1日。転帰に関して離脱率は43%、抜去後30日生存率は31%であった。【考察】院外心停止など重症例ではECPELLAでも救命が困難であった。導入すべき症例の検討、また、導入中の管理プロトコルも今後検討を要する。自施設症例を提示しながら、discussionを深めたい。【結語】当院でのECPELLAの初期導入経験を報告した。