[O93-1] 敗血症性ショックを伴う穿孔性腹膜炎に対するOAMの有効性についての検討
【目的】近年、Open abdominal management(OAM)はDamage control surgery(DCS)における重要な戦略として、腹部外傷以外の穿孔性腹膜炎にも積極的に適応されてきている。その有効性について,当院の治療成績をもとに検討した。
【方法】2015 年8月から2018 年8月の期間に,敗血症性ショックを伴う消化管穿孔性腹膜炎に対してOAMを施行した27症例について診療録を用いて後方視的に検討した。
【結果】穿孔部位は上部消化管5例、小腸2例、右側結腸4例、左側結腸14例、虫垂2例であった。穿孔性腹膜炎の予後予測に使われるMannheim Peritonitis Index(MPI)の平均(標準偏差)は26.3(±5.1)であった。初回平均手術時間は,69分であり、OAM期間の中央値は3日であった。全例に根治的閉腹術を施行した。人工呼吸管理日数、ICU滞在日数の中央値はそれぞれ5日と7日であった。手術関連合併症として浅部SSI 2例、深部SSI 3例に認めた。(18.5%)消化管瘻の発生はなかった。術後30日以内の死亡は2例(7.4%)であった。
【結論】汚染手術の術後SSIは30%以上に認められるとされ、重要な術後合併症であるが、OAM管理は術後SSIに有効である可能性が示唆された。また、一般的にMPI26以上の症例では死亡率40~80%とされており、重症穿孔性腹膜炎に対するOAMは、DCSの術後生存率の向上に有効な手段であると思われた。
【方法】2015 年8月から2018 年8月の期間に,敗血症性ショックを伴う消化管穿孔性腹膜炎に対してOAMを施行した27症例について診療録を用いて後方視的に検討した。
【結果】穿孔部位は上部消化管5例、小腸2例、右側結腸4例、左側結腸14例、虫垂2例であった。穿孔性腹膜炎の予後予測に使われるMannheim Peritonitis Index(MPI)の平均(標準偏差)は26.3(±5.1)であった。初回平均手術時間は,69分であり、OAM期間の中央値は3日であった。全例に根治的閉腹術を施行した。人工呼吸管理日数、ICU滞在日数の中央値はそれぞれ5日と7日であった。手術関連合併症として浅部SSI 2例、深部SSI 3例に認めた。(18.5%)消化管瘻の発生はなかった。術後30日以内の死亡は2例(7.4%)であった。
【結論】汚染手術の術後SSIは30%以上に認められるとされ、重要な術後合併症であるが、OAM管理は術後SSIに有効である可能性が示唆された。また、一般的にMPI26以上の症例では死亡率40~80%とされており、重症穿孔性腹膜炎に対するOAMは、DCSの術後生存率の向上に有効な手段であると思われた。