[O93-5] 敗血症診療における早期微生物/感受性同定最新技術の系統的レビュー
【背景】ICU患者の約7割に抗菌薬が投与があり, 広域抗菌薬使用も多い。適切な抗菌薬選定, de-escalationのため, 迅速に原因微生物/感受性を同定する技術が報告されている。【目的】血液培養に対する原因微生物/感受性同定法で, 菌名/感受性同定までに必要な時間 (TAT: turn around time), その精度の過去5年間の報告をレビューし, 臨床使用について考察する。【方法】2013年9月から2018年8月で早期微生物/感受性同定最新技術のTATを評価した英語論文を抽出すべく, Pub Medにて「(turnaround time OR TAT) AND (identification OR ID) AND (blood culture OR bloodstream infection OR BSI)」あるいは「(turnaround time OR TAT) AND (antimicrobial susceptibility test OR AST) AND (blood culture OR bloodstream infection OR BSI)」で検索。Review articleを除く43論文をレビューした。【結果】代表的な技術の, マトリックス支援レーザー脱離イオン化 飛行時間型質量分析装置 (MALDI-TOF/MS)(MALDI Biotyper (日本ベクトン・ディッキンソン)), Verigene (日立ハイテクノロジーズ), FilmArray (ビオメリュー・ジャパン), Accelerate Pheno (Accelerate Diagnostics) によるTAT短縮の報告がそれぞれ2, 4, 1, 2論文であった (詳細は表)。MALDI Biotyperでは, 検体処理方法改良によるさらなるTAT短縮の報告が9論文あった。【結論】多くの技術でTAT短縮が報告されている。自施設での原因微生物/感受性同定法を理解し, 可及的早期かつ安全な抗菌薬選定を施設毎に模索する必要がある。