第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(口演)

感染・敗血症 症例

[O94] 一般演題・口演94
感染・敗血症 症例05

Sat. Mar 2, 2019 11:05 AM - 11:55 AM 第12会場 (国立京都国際会館5F Room 510)

座長:速水 元(横浜市立市民病院麻酔科)

[O94-6] 日本人高齢者の重症熱帯熱マラリア

横森 良平1, 弦切 純也1, 星合 朗1, 奥村 滋邦1, 小西 浩之1, 平井 由児2, 新井 隆男1 (1.東京医科大学 八王子医療センター 救命救急センター, 2.東京医科大学 八王子医療センター 感染症科)

【背景】熱帯熱マラリアは、亜熱帯・熱帯熱地域を中心に流行する重篤な感染症である。日本においては年間約50例の輸入マラリアが報告されている。【症例】77歳女性、意識障害で搬送。既往は高血圧、糖尿病(HbA1c 7.6)。来院時のバイタルサインは、意識レベルJapan Coma Scale score200、呼吸促迫、経皮的動脈血酸素飽和度96%(10L酸素投与下)、血圧180/72mmHg、脈拍80回/分、体温36.8℃であった。海外渡航歴(2週間前にマダガスカル島)が判明し、血液ギムザ染色を行ったところ赤血球輪状体陽性、熱帯熱マラリアと診断した。ショック、脳症、腎不全、肺水腫を併発し、WHO重症度予測スコア(Coma Acidosis Malaria score)から死亡率46~67%と予測された。人工呼吸器管理とし、キニマックス16mg/kg 8時間毎およびビブラマイシン2g/日で治療を開始した。第3病日、マラリア寄生率が12.3%に上昇し、ショック遷延、肝腎不全が進行、持続腎代替療法を開始した。連日末梢血塗抹を行い、第7病日に末血マラリア原虫は陰性を各員んした。その後、意識レベルは徐々に改善し、第18病日にショック離脱、間欠的血液透析に移行した。第29病日に人工呼吸器を離脱、第32病日に血液透析を離脱した。最終的に当院から、回復期リハビリテーションのため転院した。【結語】熱帯熱マラリアは重症化しやすく、日本においても死亡例が報告されている。温暖化に伴いマラリアを含めた輸入感染症の拡散が懸念される昨今、早期診断のための渡航歴の確認やコメディカルとの連携が重要である。
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