[O97-1] AMIによる2度の心停止後、補助循環導入により救命した症例
【症例】70歳男性。身長162cm、体重64.8kg、BSA1.69平方メートル。当院にてPM植え込み、時期不明であるが左腎癌にて左腎摘出後。【経過】2018年5月昼頃自宅にて意識消失。妻により救急要請。接触時VF。近隣の病院へ搬送されROSC、ST上昇を確認。しかし、カテーテル室使用不可にてかかりつけであった当院へ搬送。当院到着後再びVFとなり、気管挿管、PCPS導入後ROSCし、カテーテル室搬入。冠動脈造影にて#7100%でPCI施行。IABP挿入、送血側下肢冷感が強いため4Frシースを挿入し末梢灌流開始。ICU帰室後カテコラミン開始。(DOA、DOB、NAD)術後2日目に尿量減少、Cre2.1へ上昇を認めたためCRRTを開始し、術後3日目には尿量増加、Cre1.03となったためCRRT終了。その時点でカテコラミン、IABP(1:1)、PCPSflow0.5~1.0l/minサポート下でBP100~110mmHg台であったためPCPS抜去となった。術後4日目に覚醒し、従命が入るようになり、IABPを1:2へ変更。術後6日目にIABP抜去。術後7日目に抜管、術後9日目にICU退室し、一般病棟へ転棟となった。術後28日目にICDへのアップグレードのため、近隣大学病院へ転院し、その後独歩で自宅退院となっている。【考察】本症例においてまず2度のROSCと心筋虚血解除が早期であったことが、救命し得た大きな要因と考える。またボリュームローディングやRRT開始の判断等、治療のタイミングが的確であった。またそのような治療方針に医師のみではなく、コメディカルの意見も積極的にディスカッションでき、救命できたことはチームとしてとても大きな結果となった。【結語】今回、補助循環により救命した症例を経験した。改めてチーム医療の重要性を考えさせられる症例であった。今後もこの経験を活かし日々の治療に貢献していきたい。