第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(口演)

補助循環 経験

[O97] 一般演題・口演97
補助循環 経験01

2019年3月2日(土) 15:20 〜 16:10 第12会場 (国立京都国際会館5F Room 510)

座長:畑中 祐也(京都府立医科大学附属病院)

[O97-2] 安全安心な補助循環への当院の取り組み

品部 雅俊, 伴野 誠幸, 三木 航太, 石原 隆史, 杉村 直紀, 平川 太基, 山田 文哉 (愛媛大学 医学部 附属病院 診療支援部)

【背景】重症心不全や呼吸不全に対する治療として補助循環が用いられる場合がある。補助循環は治療戦略において非常に頼もしい手段となるが、一方で患者にとっても医療スタッフにとってもストレスがかかる治療法でもある。当院では近年発生したインシデントへの対策や、医療スタッフの不安を少しでも解消し、患者と医療スタッフの双方に安心で安全な補助循環が提供できるよう取り組んでいるため、その方法を紹介する。
【目的】補助循環の管理方法を検討することによって患者と医療スタッフの安心安全を確保する。
【方法】当院で実際に発生したインシデントをもとに、容易にガス流量設定の変更が行えなくするとともにガスフラッシュ時にもガス流量設定を触ることがないようなガスブレンダ―を採用し、全補助循環装置に搭載した。当院ではガス交換を伴う補助循環時には臨床工学技士が24時間体制で対応にあたっているが、補助循環の状態を遠隔でモニタリングすることにより、担当者一人のみの目だけでなく常に他のスタッフが監視できる状態にして、問題発生時に状態を共有しながら電話等で相談できる体制とした。
【結果】新しいガスブレンダ―採用以降、補助循環のガス交換に関するインシデントは発生していない。また、補助循環対応に不安があるスタッフも遠隔で誰かの監視があっていることと、何かあれば状態を見せながら相談できることを非常に心強く感じている。
【考察】人間はミスをする生物だとよく言われるが、医療業界ではいかにそのミスを防ぐかが重要である。当院では新しいガスブレンダ―の採用によりフールプルーフ機能でミスを防止し、遠隔モニタリングにより、人間の目による見逃がしの危険性を低下させているとともに、不慣れなスタッフにも業務習得への第一歩を踏み出しやすくさせている。今後もさらなる安全性と求めて工夫をしていきたい。