第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(口演)

補助循環 経験

[O97] 一般演題・口演97
補助循環 経験01

2019年3月2日(土) 15:20 〜 16:10 第12会場 (国立京都国際会館5F Room 510)

座長:畑中 祐也(京都府立医科大学附属病院)

[O97-5] 当院の補助循環用ポンプカテーテル(IMPLLA)業務における臨床工学技士の役割

澤村 匠之介, 定松 慎矢, 松井 祐馬, 佐々木 悠真, 佐藤 博彦, 三島 博之 (九州大学病院 医療技術部 臨床工学部門)

【はじめに】当院は、2017年10月よりアビオメッド社製IMPELLAの実施施設となった。2018年3月~8月までにIMPLLA2.5を3例、5.0を2例経験した。今回、IMPELLA2.5/5.0の導入から管理の実際について臨床工学技士(以下CE)の立場から報告する。
【準備】導入までの準備としてハートチーム並びに関連するスタッフがトレーニングプログラムの受講を完了し、制御装置の搬入やデバイスの納入を行い使用となった。現在、当院では3台の制御装置を所有し、手術室2台、カテ室1台で管理を行っている。ポンプサイズは医師により選択されるが、原疾患や急性期の状況、血管径などで左右される。また今回、V-A ECMOの導入患者に後負荷軽減目的にIMPELLA2.5を導入し、LVサイズを確認しながらダイヤルを調整する経験もあった。
【管理と実際】IMPELLAはX線透視下での挿入となるため、心臓カテーテル室もしくは手術室で導入したのち、ICU・ER・CCUで管理が行われる。IMPELLA業務におけるCEの役割は大きく分けると導入時の対応、ベットサイドでの管理やトラブル対応、抜去時の対応である。ICUでは毎日チェックリストに従い、データやアラーム情報の記録を行う。またIMPELLAのモーター部への血液の侵入を防ぐため、ヘパリン加ブドウ糖液をパージ液としてモーター内部に持続的に流す必要がある。当院では衛生面と液切れがないように毎日交換を行っている。また、ACTや出血の状況に応じて医師から添加するヘパリン量について指示を受けた看護師がパージ液を作成し、CEが交換を行う事とした。今回、多くの関連部署の専門スタッフが多角的に関わることから、これらの連携を密にし、それぞれが有効に役割を果たせるためのチーム作りが必要である。
【考察】これまで、大きなトラブルは経験していないが、緊急時の対処や判断については、想定される選択肢をあらかじめリストアップするなどの工夫が必要である。また、日常スタッフの教育や安全管理、コミュニケーションについては仕組みを構築し、有効に運用することが必要であると考える。
【まとめ】IMPELLAは急性循環不全など、急性領域で使用されることが多い。治療効果を上げるためにも日頃からのトレーニングや教育が大切である。今後も、多職種と連携を図り、患者への十分な支援体制を整えて行きたい。