第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

患者管理

[P11] 一般演題・ポスター11
患者管理01

Fri. Mar 1, 2019 11:00 AM - 12:00 PM ポスター会場11 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:西 憲一郎(大阪赤十字病院 麻酔科・集中治療部)

[P11-1] 当院ICU の病床利用状況 -予定手術後入室が夜勤帯の満床稼働に与える影響-

安氏 正和, 田原 直樹, 世良 昭彦 (広島市立安佐市民病院 麻酔集中治療科)

【背景】当院のICU は救急医療と予定手術後の重症患者が希少な8 床を共有するため、日勤帯に空床を作っても夜勤帯に満床となることがある。満床になると新規収容が困難になったり、在室者を夜間に退室させたりしなければならない。そのためICU の病床利用状況の特徴を分析することが円滑な運営の一助になると考えられる。【目的】当院のICU の病床利用状況を、夜勤帯と予定手術後の入室数の観点から調査した。加えてICUが夜勤帯に満床になる誘因は予定手術後の入室が影響していると仮説して統計学的に評価した。【方法】本研究は倫理委員会の承認を得た。対象は2016 年4 月1 日~2018 年3 月31 日のICU 入室者とし、診療録から以下の項目(1.入室した時間帯と予定手術後か否か、2.毎日の夜勤帯終了時点で満床であった日数、3.夜勤帯に急遽退室させた日数とその日の満床以降の入退室状況、4.毎日の夜勤帯終了時点での予定手術後と2 週間を超えた長期滞在者の在室人数)を後方視的に調査した。主要評価項目として、満床と満床でない日の2 群において、4の在室人数をMann-Whitney のU検定を用いて統計処理をした(p<0.05:有意差あり)。【結果】総入室数は1398 人で、うち予定手術後は469 人(外科82 人、脳神経外科188 人、心臓血管外科187 人、他の科12 人)であった。夜勤帯の入室は924 人(66%)で、予定手術後の夜勤帯の入室は303 人(65%)であった。夜勤帯で満床になった日は159 日で、夜勤帯に急遽退室させた日が36 日あった。退室後に新たに入室させ満床のまま稼動した日が33 日、退室させて1 床空きを確保した日が3 日あった。また1 日の夜勤帯での退室数は、1 人:34 日、2 人:1 日、4 人:1日であった。予定手術後の在室人数は、満床の日が1.5 人/日、満床でない日は1.1 人/日であった(p<0.0001)。長期滞在者の在室人数は満床と満床でない日とに有意差はなかった。【結論】当院のICU が夜勤帯に満床になるのは、過半数の入室が夜勤帯であることや予定手術後の入室の関与が推察された。予定手術後の入室数が今後減少するとは考えられず、円滑な病床運営のためには急な退室の受け入れに対応可能な病棟間連携・支援体制の構築が重要であると示唆された。