第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

外傷・熱傷

[P12] 一般演題・ポスター12
外傷・熱傷01

Fri. Mar 1, 2019 11:00 AM - 11:40 AM ポスター会場12 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:梶田 裕加(愛知医科大学病院 救命救急科)

[P12-4] 外傷による気管支損傷後の肉芽腫性狭窄にて遅発的に無気肺をきたした1例

野村 泰充1, 正田 光希1, 井上 剛1, 山仲 貴之2, 坂本 悠巨2, 吉田 真教1, 岡本 倫明1, 植田 史朗1, 關 匡彦1, 松山 武1 (1.奈良県総合医療センター 救命救急センター, 2.奈良県総合医療センター 麻酔科)

鈍的胸部外傷による気管・気管支損傷は比較的まれである。多くの症例は受傷直後より高度の呼吸困難等の臨床症状を呈する。今回胸部外傷受傷15日後に呼吸困難と経皮的動脈血酸素飽和度低下が出現し、胸部CTにて右下肺野の無気肺が見つかり、気管支鏡検査にて右中間幹が肉芽腫性狭窄にて完全閉塞している所見を確認し、外科的手術にて治療し得た症例を経験した。【症例】25歳男性。バイク走行中に軽自動車に衝突し、当院救命救急センターに救急搬送された。搬入時意識クリア、血圧146/80mmHg、脈拍80回/分、呼吸数20回/分、リザーバーマスク酸素10L/minにてSpO2 100%であった。胸部CTにて両側第一肋骨骨折と縦隔気腫と右気胸を認め、アスピレーションキットを挿入した。頸部CTにて頸椎に異常認めなかったが、両上肢と右下肢に麻痺を認めたため、中心性脊髄損傷を疑い、処置後入院となった。気胸はすぐに改善し、ドレン抜去後も問題なく、受傷12日後にリハビリ目的で転院となったが、転院2日後に呼吸苦出現し、翌日になっても改善しない為胸部CT撮影すると右下肺野に無気肺が見つかり、治療目的にて当院に転院となった。転院後吸入治療やリハビリ治療を施行するも無気肺改善しないため、気管支鏡検査施行すると右中間幹の肉芽種性狭窄による完全閉塞の所見が見つかったため、当院呼吸器外科にコンサルトしたところ、外科的手術の方針となり、全身麻酔と硬膜外麻酔のもと中下葉切除と気管支形成術施行となった。【結語】今回鈍的胸部外傷受傷15日後に気管支損傷後の肉芽腫性狭窄による無気肺にて呼吸困難と経皮的動脈血酸素飽和度が低下し、外科的手術にて治療し得た症例を経験した。