[P18-4] 下行大動脈瘤切迫破裂を契機に発見された未分化多形肉腫の1例
大動脈瘤は破裂すると致死的な疾患であり、瘤形成の主な原因として動脈硬化が挙げられる。今回我々は、未分化多形肉腫による下行大動脈瘤切迫破裂をきたした非常に稀な症例を経験した。症例は50歳女性。背部痛を認め、胸部下行大動脈瘤の切迫破裂が疑われた。ただちに緊急下行大動脈人工血管置換術が施行された。術前造影CT所見および術中所見では大動脈壁の不整を認め、病理診断の結果、未分化多形肉腫と診断された。第20病日に縦隔内残存腫瘍に対して全身麻酔下縦隔内腫瘍摘出術が行われた。2度の手術およびICUでの集学的治療により術後経過良好にて、第30病日に独歩退院となった。非常に稀な症例であり、文献的考察を含め報告する。