[P28-3] 手術待機中VfとなりPCPS下の緊急冠動脈大動脈バイパス手術で救命できたACSの1例
(目的)術前Vf(心室細動) stormでPCPS(経皮的心肺補助装置)下の緊急冠動脈大動脈バイパス手術(CABG)の成績はいまだ成績は安定しない。今回手術待機中にVfとなり血行動態維持不可能ととなりPCPS下の緊急経皮的血管形成術(PCI)とCABGで救命できたACS(急性冠症候群)を報告する。(対象)67歳男性、主訴は意識消失で3枝病変が判明し、EFは15%であった。可及的のCABG予定であったが、入院14日目にVT(心室頻拍)となりIABPを挿入、翌日Vf stormとなりPCPS挿入下PCIを施行後、CABGを施行した。(結果)on pump beating CABGにて抗血小板をしっかり内服していたため大伏在静脈を使用し3枝バイパスを施行した。術後からPCPSの離脱困難で手術時間は18時間に及びPCPS下にICU帰室した。術後第2病日PCPS抜去、術後第7病日IABP抜去、入院第49病日に独歩で退院した。(考察)手術の時期の反省点と、緊急PCIは必要であったか、すべてPCIで完結できたかは討論を要する。しかしPCPS下の開心術の救命例は少なく高度なチーム医療を要する。また病変を準緊急手術にしてその待機期間が問題なかったは議論を要するところである。個々の施設での心臓外科医、麻酔科医、ICU医の体制により討論していくしかないのも現状である。昨今高齢化や抗血小板剤、抗凝固剤など内服した患者の緊急手術も増加しており施設によりその対応は様々で、一定の見解はないことが多い。本疾患群の対応により予後がさゆうされるのもあり、術後の集中治療管理においても討論を要する重要な観点である。(結語)手術待機中Vf stormとなりPCPS下に緊急CABGにて救命できた症例を経験したので、その反省と術後PCPS管理を含めたICUでのチーム医療を議論したい。