第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

循環 研究

[P35] 一般演題・ポスター35
循環 研究

Fri. Mar 1, 2019 2:00 PM - 2:40 PM ポスター会場15 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:澤村 匡史(済生会熊本病院集中治療室)

[P35-4] 急性大動脈解離(Stanford A)患者における術前好中球/リンパ球比と周術期合併症の関連の検討

杉村 憲亮1, 新井 正康2, 黒岩 政之1, 大塚 智久1, 安達 健1, 西澤 義之1, 阪井 茉有子1, 鈴木 優太郎1, 吉野 和久1, 岡本 浩嗣1 (1.北里大学 医学部 麻酔科学, 2.北里大学医学部付属新世紀医療開発センター)

【背景】好中球/リンパ球比(NLR)は様々な疾患の予後を予測する炎症マーカーとして報告されている。特にがん患者、心不全や冠動脈疾患など多くの心血管疾患患者の予後や合併症と関連している指標として報告されている。急性大動脈解離患者においてはCRPやWBCが予後予測因子とされた報告はあるが明確ではない。また、NLRとの関係についての報告は少なく明確ではない。
【目的】NLRは急性大動脈解離患者において予後や周術期合併症を予測する因子となりえるかを検討する。
【方法】2014年5月~2018年5月までの間、当院で緊急手術が行われた急性大動脈解離患者67例を対象とした後ろ向き観察研究。がん、ステロイド使用歴、肝疾患、免疫疾患、血液疾患、冠動脈疾患、感染症患者を除外項目とした。主要評価項目として死亡群、周術期合併症(肺炎、呼吸不全、CRRT、脳梗塞、消化管合併症)と術前NLRの関係を評価した。統計学的手法はMann-Whitney U testを使用しp<0.05を有意とした。
【結果】67例中、除外項目に該当した5例を除外し62例を対象とした。62例中死亡群は10例、周術期合併症を起こした症例は34例であった。生存群と死亡群の術前NLRに有意差はなかった(8.2±6.2 vs. 8.4±9.4, p=0.3)周術期合併症を起こした群34例と死亡群10例のうち手術操作に影響されない合併症を起こした5例(計39例)と非合併症群18例の術前NLRに有意差が認められた(9.7±7.6 vs. 5.7±4.2, p=0.03)
【結論】術前NLRは急性大動脈解離患者の予後や周術期合併症を予測する因子として有用である可能性が示唆された。
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