第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

循環 症例

[P38] 一般演題・ポスター38
循環 症例06

Fri. Mar 1, 2019 2:00 PM - 2:50 PM ポスター会場18 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:山口 和将(公立昭和病院 救急科)

[P38-4] 術中に見つからなかった左心耳血栓症

小高 光晴1, 岡村 圭子1, 森 哲1, 安藤 一義1, 西山 圭子1, 小森 万希子1, 竹内 嘉浩2 (1.東京女子医科大学東医療センター 麻酔科, 2.三郷中央病院 麻酔科)

はじめに: 今回我々は繰り返し脳梗塞を発症している左心耳血栓症に対し、除去術を施行したが、血栓が見つからなかった症例を経験した。症例: 63歳男性、身長178cm、体重78kg。既往歴:脂肪肝、2型糖尿病、高脂血症。内服薬アクトス15mg、ビクトーザ0.3mg、ベザフィブラート100mg×2。現病歴: 2009年(52歳)脳梗塞発症し左不全麻痺。ワルファリン内服開始。2018年1月に脳梗塞再発しt-PAにて治療。2018年6月に脳梗塞再々発しICU治療となった。心エコーにて左心耳血栓を診断され、ワルファリン増量、PT-INR 2.5前後にて管理したが、左心耳血栓消失なく、繰り返す脳梗塞を考慮し、人工心肺下に血栓除去術、左心耳縫縮術を予定した。麻酔導入直後TEEにて下図に示すような血栓が見られた。ヘパリン24000単位投与後、上行大動脈送血、上大・下大静脈の脱血にて人工心肺開始、右側左房切開にて左心耳を検索したが、血栓は見当たらなかった。そのまま、左心耳を縫縮して人工心肺離脱、手術終了となった。術後ICU入室し,翌日に抜管、CTにて新たな脳梗塞はなかった。術後第7病日に合併症無く退院した。 考察と結語:新たな脳梗塞が発症しなったことから、血栓が溶解したか体外へ排出した可能性が考えられる。その原因として1.大量ヘパリン投与にて溶解した。2.左房切開時に吸引した2点が上げられる。反省点としては、ヘパリン投与後TEEにて血栓存在の有無を確認すべきであった。以上、難治性の脳梗塞を繰り返した患者が、開心術による血栓除去術を受けたが、術中血栓が見つからなかった症例を経験した。
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