第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

循環 症例

[P38] 一般演題・ポスター38
循環 症例06

Fri. Mar 1, 2019 2:00 PM - 2:50 PM ポスター会場18 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:山口 和将(公立昭和病院 救急科)

[P38-6] 当院におけるDoor to Balloon Timeの検討

吉池 昭一, 山口 勝一郎, 白戸 康介, 飛世 知宏 (相澤病院 救命救急センター)

【背景】2015年当院のDoor to Balloon Time; DTBTにて90分以内目標達成率は36%であった.一方,日本病院会QIプロジェクトにおける2015年度の全施設平均値が59.7~61.5%を推移している。【目的】品質改善のためST上昇型急性心筋梗塞(ST elevation myocardial infarction; STEMI)を対象にDTBT短縮への問題点を検討した.当院はER型救命救急センターを展開し,救急科専門医が初療にあたり,年間walk-inが約4万人,救急搬送は約7千台を収容している.【方法】プロジェクトチームを立ち上げ, 診断から治療までのプロセスを評価・見直しを行い, 各部署への意識改革を図り, 手順書を作成し各々が行うべき業務を明瞭化し,各部署間での振り返りを行った. また2015-2017年の3年間におけるER受診患者でSTEMIと診断され,緊急PCIを施行した症例を対象とし,Walk-inもしくは救急搬送の有無に分けて検討した.【結果】プロジェクトチームによるプロセスの手順書作成などの啓蒙活動によりDTBTは短縮傾向を示したが,全施設平均には及ばなかった。またwalk-in STEMI患者のDTBTの大幅な遅延(平均104分)を認めた. 【結語】Walk-in STEMI患者の特徴として軽症例,非典型的な症状であることが多く, トリアージナースを配置しても早期診断は難しい。そこで診断から治療までのクリニカルパスを導入し,DTBT達成率は全施設平均を超える65%となる結果を得た。パス導入による短縮効果の有意差は認めていないが、Walk-in STEMI患者でのDTBT短縮の可能性が示唆され,文献的考察をふまえ報告する.