第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

循環 症例

[P39] 一般演題・ポスター39
循環 症例07

Fri. Mar 1, 2019 2:00 PM - 2:50 PM ポスター会場19 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:石原 嗣郎(日本医科大学武蔵小杉病院循環器内科)

[P39-1] ECMO患者のCT検査搬送の安全性の検討

香月 レイナ1, 有田 大祐1, 村崎 由起1, 清水 重光1, 小峠 博揮1, 安達 普至2 (1.飯塚病院 臨床工学部, 2.飯塚病院 集中治療部)

【背景】近年、呼吸不全に対するECMOの有用性を示す報告が多数あり、当院でも従来の循環不全に対するV-A ECMOだけでなく、V-V ECMOを導入する患者が増加している。ECMOの重篤な合併症の一つである出血性病変の検索や治療の効果・方針の判断にCTは非常に有用検査であるが、ECMO患者は呼吸・循環を人工臓器に依存しており、ECMOトラブルは致死的となる。【目的】ECMO患者のCT検査搬送が安全に行われているか検討すること。【方法】2012年から2017年の6年間に当ICUのECMO患者を対象に、CT検査を安全に施行できたかをカルテ、データベースなどを使用し、後ろ向きに検討した。CT検査搬送は、ICU内での移動準備からCT検査施行し、ICU帰室までとした。ECMO患者のCT検査搬送時の最低人数は、平日日勤帯は医師1名、看護師1名、臨床工学技士2名の計4名、時間外は医師1名、看護師1名、臨床工学技士1名の計3名で移動している。【結果】期間中のICU入室患者は3,916名。そのうち、ECMO患者は152名(V-A ECMO 126名、V-V ECMO 26名)であった。CT検査搬送は患者53名に114件実施した。53名中IABPを併用していた患者は18名であった。ECMO平均装着期間は9.56日であり、V-A ECMO 4.44日、V-V ECMO 13.8日(最長55日間)であった。ICUからCT検査室までの距離は約85mでエレベーターの移動が必要であった。使用したエレベーターの床面積は2.55m×1.70mであった。期間中でCT検査搬送を114回実施しているが、CT検査搬送による重篤な合併症やトラブル、インシデントはなく、その理由はカニューレの抜去や屈曲が起こらないように搬送時のスタッフ配置やベッド上の整理などの工夫によるものだと考えられた。【結語】ECMO患者の搬送を最低3名のスタッフで行っても、重篤な合併症やトラブル、インシデントもなく安全に移動が行えCT検査を実施できる。