第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

新生児・小児

[P4] 一般演題・ポスター4
新生児・小児01

Fri. Mar 1, 2019 11:00 AM - 12:00 PM ポスター会場4 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:林 拓也(埼玉県立小児医療センター)

[P4-5] 当院でのcritical PS 3例のadditional PTPVに関する検討

桜井 研三, 中野 茉莉里, 升森 智香子, 水野 将徳, 麻生 健太郎 (聖マリアンナ医科大学 小児科)

【背景】重症肺動脈弁狭窄症(critical PS)では、生後間もなく経皮的肺動脈弁形成術(PTPV)を施行し、多くの場合乳児期にadditional PTPV(a-PTPV)が必要となるが、介入時期は症例により様々である。【目的】当院で初回PTPVを施行したcritical PS 3例のa-PTPV介入の有無とその背景を明らかにする。【方法】対象は2015年7月31日から2018年7月31日の3年間に当院で出生したcritical PSの3例で、診療録から後方視的に検討した。【症例1】在胎38週2日、出生体重3306g、日齢25で初回PTPV施行した。Balloonは7mm(肺動脈弁輪径:PVDの117%)を使用し、肺動脈-右室圧較差は60から30mmHg、右室圧は70/edp8から50/edp5mmHg、右室圧/左室圧比(RVp/LVp)は1.5から0.83まで改善した。現在、生後10ヶ月になるが心エコーでの肺動脈弁の流速は2.9m/s、SpO2は97%(room air)で、追加治療せずに外来フォロー中である。【症例2】在胎38週2日、出生体重2762g、日齢5でPTPV施行した。Balloonは7mm(PVDの120%)を使用し、肺動脈-右室圧較差は80から30mmHg、右室圧は113/edp9から54/edp7mmHg、RVp/LVpは1.3から0.64まで改善した。現在、生後1歳になるが心エコーでの肺動脈弁の流速は2.6m/s、SpO2は99%(room air)であり、追加治療せずに外来フォロー中である。【症例3】在胎39週3日、出生体重2875g、日齢2でPTPVを施行した。Balloonは6mm(PVDの105%)を使用し、肺動脈-右室圧較差は50mmHgから20mmHg、右室圧は80/edp8mmHgから40/edp4mmHg、RVp/LVpは1.5から0.74まで改善した。生後5ヶ月でPSの進行ありa-PTPVを施行した。肺動脈-右室圧較差は40から20mmHg、右室圧は65/edp6から45/edp5mmHg、RVp/LVpは0.88から0.61まで改善した。【結果】乳児期にa-PTPVを施行した症例は1例のみで、初回PTPV balloonサイズと初回PTPV後の肺動脈弁口径/PVD比が小さかった。【結論】critical PSにおいて、術後急性期の治療効果が有効と判定されても、初回PTPV balloonサイズや初回PTPV後の肺動脈弁口径/PVD比が小さい場合は、乳児期早期に追加治療が必要となる可能性がある。