[P44-7] 内科によるRRS構築の試み
背景院内急変対策システムRRSの導入は院内死亡、ICU外での死亡、ICUへの搬送などの減少と関連があるとする報告がある。東海大学医学部付属病院では医療安全活動としての予期せぬ急変事例の解析の結果、心血管イベントが42%、敗血症が38%、上気道閉塞などのその他が20%と判明し、中でも敗血症が事前に急変予測が可能であるが、見逃されているケースが多いと考えられた。心血管イベントは主に主治医により、循環器内科、神経内科、脳外科などがコールされている。RRSの導入は救急、麻酔科が主導して行われることが多いが、当院では内因性疾患の集中治療で心血管イベント以外のケースについては総合内科集中治療チーム(MICU)が担当する頻度が歴史的に高く、救急科、麻酔科とともにRRS構築を試みている。目的 RRS/MICUへの急変コールの実態をもとに今後のRRS構築のための問題点を検討した。方法2018年4/1-5/31の間にMICUコールをされた院内急変症例を前向きに検討した。結果コール件数は21件あり、平均年齢68歳、男性62%、コール時のquick SOFAスコアは1点-2例、2点-10例、3点-9例であり、死亡率は24%であった。コールの直接の原因はショックが33%と最多であり、意識障害・せん妄19%、低酸素・高二酸化炭素14%、心室性不正脈9%、痙攣 10%、挿管困難5%、なんらかの懸念5%であった。急変の原因疾患として肺炎、敗血症は51%を占めた。期間内に挿管困難例が2件あり、1件は救急医学科コールされ輪状甲状間膜切開が行われ、1件はMICUチームにて気管挿管に成功した。敗血症ケースにおいて主にソースコントロールの必要性に関してMICUチームと主科の間に見解の相違を認める例が散見された。主科とMICUとの間の病態認識の差異、それに基づく患者家族への説明の問題点、code status変更へのRRS/MICUの関与などが問題になったケースが見られた。MICUでは外科的気道確保の必要なケースへの懸念があるが、救急医学科によるDifficult Airway Managementチームの協力が得られた。結論病院長、医療安全監査部のもとで救急医学科、麻酔科、看護部、システム課、総務などと協同して引き続き内科主導で院内急変対策システム構築を進める。総論賛成、各論反対(マンパワーが出せない)の状況であり、リソースをうまく使って急変の抑制、予後改善をはかる必要がある。