第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(ポスター発表)

臨床薬理

[P45] 一般演題・ポスター45
臨床薬理

2019年3月2日(土) 11:00 〜 11:50 ポスター会場4 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:前田 幹広(聖マリアンナ医科大学病院薬剤部)

[P45-4] ICU退出後の一般病棟での薬剤師介入について

門野 めぐみ, 瓦 比呂子 (京都岡本記念病院 薬剤部)

目的:当院では2014年6月よりICUに専任薬剤師の配置を行っており、介入当初より一般病棟とは異なったカルテ記載を行っている(以下、ICUカルテ)。配置後4年が経過しているがICUから退出した患者に対し継続的な介入が出来ていない状況が見られている。今回一般病棟に従事する薬剤師14名を対照にアンケートを実施し、問題点の抽出を行った。アンケート結果で得られた回答を元に知識や情報共有を目的とした勉強会を開催し、勉強会開催前後での介入率の差異について調査を行ったので報告する。方法: 2018年6月24日~6月30日の期間に一般病棟に充実する薬剤師14名に対し、「カルテについて」「介入について」に関する選択式と自由記載を用いたアンケートを実施した。また勉強会開催前の期間を2018年4月1日~8月10日、勉強会開催後の期間を2018年8月11日~8月30日とし、勉強会開催前後での1)ICU退出後の平均介入日数、2)ICU退出後1週間以内の介入率について調査を行った。結果:アンケート結果より、カルテについては「ICUカルテに分からない項目がある」が43%、「カルテ記載を一般病棟と同じ形式に書き直すのに約10-15分かかる」が79%、「一般病棟に退出前に一般病棟と同じ形式に書き直されていた方が介入しやすい」が57%、「口頭にて引き継ぎを受けたほうが介入しやすい」が79%等の回答が得られた。勉強会前後の介入状況の変化については、勉強会前が1)12.2日 2)32.7%、勉強会後が1)9.8日 2)40%であった。考察:勉強会の前後で介入までの日数はわずかに短縮され、1週間以内の介入率にも改善が見られた。この結果より勉強会を開催することでICU退出後の介入は一定の改善が得られた。ただし、急性期での薬剤師介入にはより短期間での介入が本来望ましい。その為に定期的な勉強会の開催に加え、アンケートでの回答にもあるようにICUカルテの一般病棟と同じ形式へのカルテの書き直しや口頭での引き継ぎを行う事で介入への抵抗を軽減し、一般病棟での再介入までの日数短縮を図ることが出来る可能性があると考察する。