第46回日本集中治療医学会学術集会

Presentation information

一般演題(ポスター発表)

呼吸 研究

[P48] 一般演題・ポスター48
呼吸 研究01

Sat. Mar 2, 2019 11:00 AM - 11:50 AM ポスター会場7 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:下山 哲(自治医科大学附属さいたま医療センター救命救急センター)

[P48-6] 開心術後の人工呼吸器患者における自動調節機能PS-Proモードの利便性に関する検討

山田 和典, 松本 浩伸, 光家 努 (高松赤十字病院 医療技術部 臨床工学課)

【はじめに】人工呼吸器MONNAL T75には手術後のウィニング向けに自動調節機能であるPS-Proモードを搭載している。PS-Proモードとは最小呼吸回数、サポート回数、目標一回換気量、最大吸気圧を監視して、自発呼吸の無いときは強制換気、自発呼吸があるときは圧支持換気へ自動で切り換えを行い、自発呼吸の強さによりPS圧を自動調節するモードである。PS-Proモードはモードの切り替えを自動で行い、呼吸回数とPS圧は自動調節するため、医療従事者の負担軽減に繋がると考えられている.【目的】2018年2月以降、開心術後の人工呼吸器管理をPS-Proモードを用いて行った.自動調節機能であるPS-Proモードは、手動調節による人工呼吸器管理と比較して人工呼吸器管理は利便性に優れているかを検討したので報告する.【方法】人工心肺を使用した開心術後にBennett 840で手動調節にて人工呼吸器管理を行った群(以下、840群)10症例と、PS-Proモードにて人工呼吸器管理を行った群(以下、PS-Pro群)10症例について、挿管時間、ICU帰室から人工呼吸器の離脱までの操作回数及び操作項目について比較検討を行った.両群間の年齢、手術時間、体外循環時間に有意差はなかった.操作回数は換気設定を変更した回数とした.統計学的検定はMann-Whitney U testを用いた.【結果】挿管時間の中央値は840群:799min、PS-Pro群:430min(n.s)であった.1症例の操作回数の平均は840群:6回、PS-Pro群:1回(p<0.01)であり優位にPS-Pro群において操作回数は少なかった.操作項目は、840群では患者状態に応じて呼吸回数と圧の調節による操作が多く見られたが、PS-Pro群は自動調節のためそれらに関する操作は殆ど必要としなかった.両群において抜管後に再挿管を必要とした症例はなかった.【考察】PS-Pro群では覚醒後も呼吸回数とPS圧は自動調節のため、手動による調節をほとんど必要としなかった.840群と比べてPS-Pro群では優位に操作回数は少なくより簡便に人工呼吸器管理ができ、医療従事者の負担軽減に繋がっていると考えられ、利便性に優れていると考えられた.【まとめ】開心術後の人工呼吸器患者におけるPS-Proモードの利便性に関して検討を行ったので報告した.