[P50-5] 循環器専門病院における緊急大血管手術の手術部位感染対策
【背景】当院は循環器専門病院である。2017年の心臓血管外科手術の件数は1115件であり、そのうち242件が緊急手術であった。緊急手術の多くが大血管手術であり、厚生労働省が管轄している院内感染対策サーベイランス事業(JANIS)のデータによると、緊急の大血管手術は他の手術に比べて手術部位感染が多いことがわかっている。そこで、当院における緊急大血管手術の術前感染対策について検討した。
【目的】当院の緊急大血管手術における手術部位感染の割合をJANISのデータと比較し、術前の感染対策について検討することとした。
【方法】本研究は後ろ向きの観察研究である。対象は2017年に当院で緊急の大血管手術を施行した89名の患者とした。主要評価アウトカムとして、手術部位感染の割合とCCUで実施している緊急手術の術前準備の内容を調査した。
【結果】当院の緊急大血管手術の手術部位感染の件数は1件であり、感染率は1.1%であった。当院CCUでは、緊急手術の術前準備として、緊急手術直前に手術部位の予備洗浄を実施している。調査期間においては、緊急大血管手術全例に対して術前準備が実施されていた。
【結論】JANISによる手術部位感染の報告によると緊急大血管手術の手術部位感染の件数は38件であり、感染率は3.8%であった。当院における緊急大血管手術は、手術部位感染率が低い結果となった。その要因としては、術前の予備洗浄や手術までの時間が短いことなどが挙げられる。緊急手術を受ける患者は、シャワーおよび入浴を行っていない可能性がある。そのため、病態の緊急性などを考慮して、可能な範囲で皮膚の常在菌や有機物などを術前に洗浄して除去する必要があると考えられる。以上のことから、当院の緊急大血管手術の感染率が低値であることは、緊急手術であっても術前準備が適切に実施されているからであると示唆された。
【目的】当院の緊急大血管手術における手術部位感染の割合をJANISのデータと比較し、術前の感染対策について検討することとした。
【方法】本研究は後ろ向きの観察研究である。対象は2017年に当院で緊急の大血管手術を施行した89名の患者とした。主要評価アウトカムとして、手術部位感染の割合とCCUで実施している緊急手術の術前準備の内容を調査した。
【結果】当院の緊急大血管手術の手術部位感染の件数は1件であり、感染率は1.1%であった。当院CCUでは、緊急手術の術前準備として、緊急手術直前に手術部位の予備洗浄を実施している。調査期間においては、緊急大血管手術全例に対して術前準備が実施されていた。
【結論】JANISによる手術部位感染の報告によると緊急大血管手術の手術部位感染の件数は38件であり、感染率は3.8%であった。当院における緊急大血管手術は、手術部位感染率が低い結果となった。その要因としては、術前の予備洗浄や手術までの時間が短いことなどが挙げられる。緊急手術を受ける患者は、シャワーおよび入浴を行っていない可能性がある。そのため、病態の緊急性などを考慮して、可能な範囲で皮膚の常在菌や有機物などを術前に洗浄して除去する必要があると考えられる。以上のことから、当院の緊急大血管手術の感染率が低値であることは、緊急手術であっても術前準備が適切に実施されているからであると示唆された。