第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

鎮痛・鎮静・せん妄 研究

[P53] 一般演題・ポスター53
鎮痛・鎮静・せん妄 研究01

Sat. Mar 2, 2019 11:00 AM - 11:50 AM ポスター会場12 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:神山 治郎(さいたま赤十字病院)

[P53-6] ICUにおいてAnaConDaシステムを使用したSevoflurane投与による術後人工呼吸患者の鎮静

水野 隆芳1, 高橋 完2, 今宿 康彦2, 佐田 蓉子2, 山下 祐貴2, 藤井 恵美1, 山根 哲信1, 辻田 靖之3, 江口 豊3, 北川 裕利2 (1.滋賀医科大学附属病院 救急集中治療部, 2.滋賀医科大学 麻酔学講座, 3.滋賀医科大学 救急集中治療医学講座)

【背景】術後には手術や全身麻酔による倦怠感、手術による身体の可動制限や気管チューブや気切カニューレによる刺激、陽圧換気による異和感などによる侵襲が加わる状況である。さまざまな侵襲を軽減し、代謝を是正し全身状態の回復に向かわせるためには鎮静が必要である。欧州で開発されたAnaConDaシステムが開発され、ICUの鎮静に吸入麻酔薬の使用が可能である。吸入麻酔薬は調節性がよく、呼気濃度をモニタリングしながら投与可能なことが特徴である。AnaConDaシステムを使用してSevofluraneにより術後鎮静管理を行ったので報告する。【目的】AnaConDaシステムを使用してSevofluraneを投与し術後鎮静を施行した際の有効性および安全性、合併症発生の有無について調査した。【方法】介入を伴う症例集積研究である。対象は頭頸部手術予定患者で、術後ICU入室し、鎮静下に人工呼吸管理が必要となる20歳以上の症例である。鎮静の施行にはAnaConDaシステムを用いてSevoflurane投与による介入を行った。主要評価項目はAnaConDaシステムの安全性評価とし、有害事象の発生頻度および重篤度について評価を行った。鎮静はRASSが-2~-3となるようにsevofluraneの呼気濃度を0.5~5%の範囲で調整を行った。【結果】6症例に施行した。平均年齢は61.5歳、男性3例であった。鎮静中のRASSは-3.2で推移し、BISは54.7±8.44であった。使用終了から指示動作可能までの時間は10.2±7.88分であった。収縮期血圧119.8±21.83、拡張期血圧55.6±8.23、心拍数96.5±8.02であった。鎮静管理中の循環・呼吸の有害事象やICU退室後の明らかな臓器障害の発生を認めなかった。【結論】ICUにおけるAnaConDaシステムを使用したSevofluraneによる鎮静は安全に使用可能である。