第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

鎮痛・鎮静・せん妄 研究

[P54] 一般演題・ポスター54
鎮痛・鎮静・せん妄 研究02

Sat. Mar 2, 2019 11:00 AM - 11:50 AM ポスター会場13 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:山田 親代(京都府立医科大学)

[P54-4] くも膜下出血術後患者の時期別の疼痛管理の検討

久保田 葵, 福田 雅子, 川野 マキ, 鈴木 貴子 (潤和会記念病院看護部)

【背景】クモ膜下出血(SAH)の手術は,開頭クリッピング術(CLIP)とコイル塞栓術(COIL)があり,それぞれ鎮痛管理に差があると考えられる.また,攣縮(SP)時の鎮痛も明らかではない.【目的】SAHの鎮痛管理を術式別と時期別に調査し,適切な鎮痛管理を検討するため本研究を行った.また,SPの有無で鎮痛も調査した.当院倫理委員会の承認を得た.開示すべきCOIはない.【対象】SAHでCLIP:28人,COIL:10人,合計:38人(男:13,女:25)だった.【方法】後方視的に観察研究を行った.時期別に術後でA: 1~7日,B:8~14,C:15~21に分け,項目(性別,年齢,ICU入室期間,病変部位,術式,手術時間,GCS,鎮痛薬,血圧,水分出納バランス, SPの有無)について調べた.疼痛評価はNumerical Rating Scale(NRS:痛みなし~最大の痛み/0~10)を用いた.統計学はt検定を使用した.【結果】平均ICU入室期間(日)A:5,B:12,C:16.術式別平均NRS(COIL / CLIP):A:13/17,B:32/11,C:2/0だった.SPの有無(-/+)で平均NRS:A:16/16,B~C:対象者なし,だった.術式別でCOIL群のSP(-/+)で平均NRSは,A:12/20,B:32/対象者なし,C:2/対象者なし.CLIP群のSP(-/+)で平均NRSは,A:20/14,B:13/対象者なし,C:0/対象者なし.1週間の鎮痛薬の平均頓用回数(定期薬-/+)は,A:8回/5回,B:5/3,C:2/1だった.COIL群の平均頓用回数(定期薬-/+)は,A:12回/7回,B:3/対象なし,C:0.5/対象なし.CLIP群の平均頓用回数(定期薬-/+)は,A:6回/5回,B:3/3,C:3/2だった.SPの有無で分け1週間の頓用回数を調べた.さらに定期薬の有無(-/+)で分けた.A:SP無:8回/4回,有:9/8,B:SP無:3/3,有:対象なし,C:SP無:2/1,有:対象なし,だった.また同様の条件で術式別に分けた.COIL群:A:SP無:12回/7回,有:対象なし/6,B:SP無:3/対象者なし,有:対象者なし,C:SP無:0.5/対象なし.CLIP群:A:SP無:3回/3回,有:9/8,B:SP無:3/3,有:対象なし,C:SP無3/2,有:対象なし,だった.【結論】術式別で,NRSはCLIPよりCOILが高かった. SPの有無に関わらずNRSの差は無かったが,SP有りの群で頓用回数が多かった.しかし,有意差はなかった.CLIP群は,SPの有無に関わらずNRS平均の差は無かったが,SPを起こした患者の頓用回数が有意に多かった.また,定期薬の有無では,定期薬を服用していた患者は頓用回数が少なかった.