第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

患者管理

[P58] 一般演題・ポスター58
患者管理02

Sat. Mar 2, 2019 11:00 AM - 12:00 PM ポスター会場17 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:齋藤 美和(さいたま赤十字病院看護部ICU・HCU・救命センター外来)

[P58-2] 医療関連機器圧迫創傷の予防対策の標準化による取り組み

長谷川 励子, 近藤 晃代, 木下 佳子, 白浜 伴子, 善村 夏代, 小賀坂 祥子, 山田 佳寿美 (NTT東日本関東病院 ICU)

「医療関連機器圧迫創傷の予防対策の標準化による取り組み」1.背景医療関連機器圧迫創傷(以下、MDRPU)とは、「医療関連機器による圧迫で生じる皮膚ないし下床の組織損傷」である。発生要因としては、機器・個体・ケア要因及びそれらの混合要因が考えられる。ICUでは、医療関連機器が多く使用され、循環不全や浮腫・低栄養などの個体要因も存在し、発生しやすい状況にある。そこで、ケア要因である看護師の予防対策を改善し、標準化することで発生を低減できると考え、取り組んだので報告する。2.目的MDRPU予防対策の標準化によるMDRPU低減に対する有効性を明らかにする3.方法1) 対象:ICU入室全患者2) 研究期間:2014年3月~2018年8月31日3) 取り組んだ内容:2014年3月~2018年7月までのMDRPU発生数と発生部位・発生状況を調査した。皮膚排泄ケア認定看護師と共に、発生要因を分析し、それをもとにICUにおけるMDRPU予防対策マニュアルを作成した。ICU看護師へマニュアルの周知・説明会を行い、前後でMDRPU発生数を比較した。 4) 倫理的配慮:施設長の承認を得て行い、データは個人が特定できないよう配慮した。4.結果2014年3月~2018年7月までの全入室患者3480件男性2169件 女性1311件 MDRPU発生数31件医療機器ごとの発生件数;バイドブロック6 シーネ5 挿管チューブ4  NPPVマスク3胃管チューブ2 弾性包帯2 点滴ロックコネクター2 抑制帯2 膀胱留置カテーテル1 包帯1 マンシェット1 ノーズウェイ1 シース1発生状況を分析したところ、機器のサイズや形状の選択が不適切、機器圧迫の除圧の未実施、皮膚状態観察の未実施などのケア要因が散見された。そこで、2018年8月「Aラインシーネ、ロックコネクター、フロートロン、弾性ストッキング、膀胱留置カテーテル、非侵襲的陽圧酸素療法、経鼻胃チューブ、サチュレーションセンサー、バイドブロック、マンシェット」の10項目についてフィッティング、外力低減ケア、観察方法について記載したマニュアルを作成した。マニュアルは図・写真を用いて作成し、すぐに確認できるようICU内の壁2か所に置いた。またICU看護師全員にマニュアルの説明会を実施した。その結果、2018年8月のMDRPUの発生はなかった。5.結論各看護師によって差があった、外力低減ケア・フィッティング・観察方法に焦点を当て予防対策の標準化を目的にマニュアルを作成・使用した。その後MDRPUの発生は無かった。