第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

患者管理

[P58] 一般演題・ポスター58
患者管理02

Sat. Mar 2, 2019 11:00 AM - 12:00 PM ポスター会場17 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:齋藤 美和(さいたま赤十字病院看護部ICU・HCU・救命センター外来)

[P58-4] 看護師が測定する瞳孔径と瞳孔記録計(NPi-200)で測定する瞳孔径に差はあるのか

露木 菜緒 (杏林大学 医学部 付属病院)

【背景】脳卒中患者の瞳孔の異常は頭蓋内変化を示すため、看護師は適宜瞳孔径の測定を行っている。しかし、ペンライトによる瞳孔反応の判断は主観的であり、観察者によるばらつきがあるとされている。Neur Optics社製NPi-200瞳孔記録計(以下NPi-200)は付属のカメラで瞳孔を撮影し計測するため測定者間のばらつきをなくし客観的かつ定量化できると言われている。そこで、看護師が測定する瞳孔径とNPi-200では差があるのかを検証した。
【目的】脳卒中患者に対し、看護師が測定する瞳孔径とNPi-200が測定する瞳孔径の差を明らかにする。
【方法】脳卒中患者に対し、看護師が普段通り定規などを用いて瞳孔径を測定した後、NPi-200を用いて瞳孔径を測定し差を比較した。瞳孔径の左右差は0.5mm以上を左右差ありとした。瞳孔変形など眼疾患のある患者は除外した。
【結果】脳卒中患者37名に対し920回測定。看護師測定の瞳孔径は右2.8±0.56mm、左2.8±0.57mm、NPi-200の瞳孔径は右3.3±1.53mm、左3.2±0.86mmであり、有意差があった。瞳孔径の左右差ありはNPi-200は101回、看護師は17回であった。瞳孔左右差径はNPi-200は0.83±0.28mm、看護師は0.09±0.2mmであり、有意差があった。病像の変化と瞳孔径の変化の関連が示唆された事例は認められなかった。
【結論】看護師が測定する瞳孔径とNPi-200で測定した瞳孔径に差はあるが、病像の変化と瞳孔径の変化は関連しなかった。