第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

患者管理

[P58] 一般演題・ポスター58
患者管理02

Sat. Mar 2, 2019 11:00 AM - 12:00 PM ポスター会場17 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:齋藤 美和(さいたま赤十字病院看護部ICU・HCU・救命センター外来)

[P58-6] 北海道胆振東部地震に伴う大規模停電による地域医療機関への影響と当院集中治療室での経験

伊藤 真由美1, 西迫 良1, 上村 亮介1, 横山 健1, 奈良 理2 (1.手稲渓仁会病院 麻酔科 集中治療室, 2.手稲渓仁会病院 救急救命センター 集中治療室)

【背景】平成30年9月6日午前3時7分に北海道胆振東部地震発生、地震発生直後に発電所が機能停止し北海道内全域にわたる大規模停電に見舞われた.自家発電のある三次救急医療機関の当院集中治療室は他院からの患者受け入れを行った.【臨床経過】地震発生からほどなくして当院の外部電力供給が断たれ、直後に自家発電に切り替えが行われた.自家発電による電力供給により医療機器の稼働に障害はなく、人工呼吸管理患者や集中治療室入院患者に影響はなかった。当日は全ての定期手術を中止とし,臨時手術への対応とした.震災当日、集中治療室では他院からの搬送受け入れ要請にて2施設より5人の患者を受け入れた.全ての搬送患者は,前医の自家発電に問題が生じたことによる人工呼吸器維持困難を理由とした転院搬送であった.搬送患者の1名は震災の影響とは関連のない病状の悪化を認め,搬送直後の時点で致死的な状態で,翌日死亡退院となった.他4名の患者の全身状態は比較的安定しており,外部電力供給が復旧した震災翌日に3人,2日後に1人が前医に転院となった.搬送元の2施設のうち1施設では自家発電トラブルで院内の電力供給が不能となり,電子カルテも機能停止した.このため,搬送元から患者の詳細な情報が得られず状態評価や治療に困難を要した.当院の外部電力供給は震災当日17時過ぎに復旧し,約14時間を自家発電で対応することとなった. 【結論】北海道胆振東部地震にて当院集中治療室では他院から5名の患者を受け入れた.当院の自家発電装置も燃料供給の目処が立っていない状況での患者受け入れであり,後に外部電力復旧が追いついたものの綱渡りの状況での対応であった.