第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

患者管理

[P59] 一般演題・ポスター59
患者管理03

Sat. Mar 2, 2019 11:00 AM - 12:00 PM ポスター会場18 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:大石 佐奈美(社会福祉法人聖隷福祉事業団総合病院聖隷三方原病院看護部 ICU)

[P59-7] 救急搬送されたてんかん重積患者の背景と発症要因の調査

日高 あゆみ, 甲斐 友里恵, 福岡 綾, 西橋 富美江 (潤和会記念病院 看護部)

【背景】第45回日本集中治療医学会で「てんかん発作で複数回以上救急搬送された75歳以上の高齢者の背景」を発表し,重積状態が多い事を明らかにしたが,発症要因は明らかではなかった.【目的】重積患者の背景と発症要因の調査を行う.発症原因として不適切な治療,服薬などや生活環境が影響すると考えた.【方法】平成25年4月1日以降,救急搬送されたてんかん患者を対象とした.当院倫理委員会の承認を得た.開示すべきCOIはない.観察研究.以下を調査した.重積状態の有無.患者背景:年齢,性別,服薬歴,環境因子(発症時状況,同居人の有無,),既往歴,救急外来での治療薬.ICU(入室の有無,治療,入室期間),全入院期間.てんかん重積患者(status epilepticus,SE)と非てんかん重積患者(Non-status epilepticus,NSE)の2群に分け比較する.統計学的分析はχ二乗検定,t検定を用いた.【結果】患者はのべ455人(男:286人,女:169人,平均年齢:62歳)で,SE:のべ219(137,82,67)でNSE:のべ236(149,87,57)だった.入院平均日数:13.9日(SE:19.5,NSE:8.7).ICU入室:のべ97人(SE:75,NSE:22).入室期間:平均2.4日(SE:2.3,NSE:1.6). 服薬歴は1剤:(SE:67,NSE:70),2剤:(23,15),3剤(3,2),4剤(0,2),なし(126,147).発症時状況:安静時(SE:50,NSE:40),仕事中(12,22),娯楽中(12,21),運転中(8,9),入浴(6,9),トイレ(8,1),就寝中(16,10),食事中(15,16),散歩中(1,5),不明(91,103)だった.内服管理状況(飲み忘れありSE:2人,NSE:4人),自己中断(NSE:6人),生活環境(SE:自宅134(同居人あり120,独居14),NSE:自宅170(149,21))だった.既往歴:脳血管疾患(92,36),高血圧(16,39),てんかん(4,48),認知症(4,11),パーキンソン病(4,4),糖尿病(14,1)だった.救急外来での医療薬はジアゼパム(DZP)(52,40),レベチラセタム(LEV)(7,16),DZP+FPHT(79,14),DZP+FPHT(11,3)だった.ICU入室時の治療薬はDZP(1,1),LEV(SE:11), FPHT(SE:49),プロポフォール(SE:16),DZP+FPHT(SE:2)だった.【結論】SEの平均年齢が高く男性が多かった。入院期間はSEが長くICU入室者もSEが多かった.発生状況,生活歴の差はなく,既往歴でSEは脳血管疾患,糖尿病が多かった.救急外来でSEにDZP+FPHTが多く投与されていた.