第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

感染・敗血症 研究

[P6] 一般演題・ポスター6
感染・敗血症 研究02

Fri. Mar 1, 2019 11:00 AM - 11:50 AM ポスター会場6 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:高須 修(久留米大学医学部救急医学)

[P6-5] プロプラノロールはLPSで誘導されるTNF-α mRNA発現量に及ぼすエピネフリンの効果に拮抗する

杉浦 春香, 藤原 祥裕, 馮 国剛, 藤田 義人, 橋本 篤, 榊原 健介, 田中 久美子, 奥村 将年, 磯部 英男, 石原 亮太 (愛知医科大学 医学部 麻酔科学講座)

【背景】カテコラミンは生体の免疫機能を修飾するといわれている.最近の臨床研究により,β遮断薬が敗血症の予後を改善する可能性があることが示された.【目的】今回われわれは,マウスマクロファージ様細胞RAW 264.7細胞を用いて,エピネフリンがリポポリサッカライド(LPS)で誘導される腫瘍壊死因子(TNF-α)のmRNA発現に影響を及ぼすかについて検討した.更に,プロプラノロールがエピネフリンの効果に与える影響についても検討した.【方法】RAW 264.7細胞を,37℃,二酸化炭素5%の中で,ウシ胎児血清10%,ペニシリン100単位/ml,ストレプトマイシン100mg/mlを加えたダルベッコ改変イーグル培地で培養した.<実験1>エピネフリン(0.01, 0.1, 1, 10, 100μM/L)を添加した.<実験2>LPS (100ng/ml) 添加後,エピネフリン(0.01,0.1,1,10,100μM/L)を添加した.<実験3>LPS (100ng/ml) 添加後,エピネフリン(1μM/L) 添加し,プロプラノロール (100,200μM/L) を添加した.それぞれの過程のあと,TNF-α mRNA発現量をリアルタイムPCR法により定量した.【結果】エピネフリンは用量依存的にTNF-α mRNA発現量を有意に減少させた.LPSはTNF-α mRNA発現量を有意に増加させた.エピネフリンはLPSに誘導されたTNF-α mRNA発現量を有意に減少させた.プロプラノロールはエピネフリンによって抑制されたTNF-α mRNA発現量を有意に増加させた.【結論】エピネフリンはRAW 264.7細胞において,ベースライン並びにLPSで誘導されるTNF-α mRNA発現量を減少させた.プロプラノロールはTNF-α mRNA発現量に及ぼすエピネフリンの効果に拮抗した.