第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

検査法・モニタリング

[P60] 一般演題・ポスター60
検査法・モニタリング01

Sat. Mar 2, 2019 11:00 AM - 11:50 AM ポスター会場19 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:渡海 裕文(兵庫県立淡路医療センター 麻酔科)

[P60-5] 当院での輸液ポンプチェッカーの有用性

古庄 宏嵩, 三島 博之, 平井 雅博, 利田 晋治, 花田 龍馬, 高橋 幸子, 渡邉 直貴, 日名子 康助, 松嶋 冴佳 (九州大学病院 医療技術部 臨床工学部門)

【背景】2018年9月現在、当院では546台のテルモ社製輸液ポンプTE-261(以下、輸液ポンプ)を保有しており、日本医療機能評価機構による病院機能評価の受審に向けて『輸液・シリンジポンプは1患者に対して1回の使用とする』という方針が採られている。輸液ポンプの清掃、点検は主として我々臨床工学技士が行っているが、臨床業務との兼ね合いもあるため、点検に時間を要することよって貸し出しが滞る場合がある。輸液ポンプの定期点検を行う際、最も時間を要するものが流量精度である。今回はその時間を少しでも短くするためにトライテック社製iP tester(以下、輸液ポンプチェッカー)を用いてその時間と簡便さ、正確さを比較したので報告する。【目的】輸液ポンプチェッカーを用いた際の点検に要する時間と簡便性、正確さの比較し、従来の方法との有用性を評価する。また、病棟などでの簡易チェックとして使用可能であるかを評価する。【方法】輸液ポンプの流量精度の点検を行う際、当院における従来の方法は、輸液セットの先端に三方活栓と10mLのシリンジを取り付け、輸液ポンプの流量を120mL/hで設定した上で開始し、5分後のシリンジの目盛りを流量とする、という方法で点検を行っていた。今回は輸液ポンプチェッカーを用いて同様の点検を行った際の所要時間を計測すると同時に、実際に使用したスタッフ(臨床工学技士20名、看護師5名)に使用した感想と簡便性についてアンケート調査を行った。【結果】流量精度の点検における所要時間には1分以上の差が見られ、輸液ポンプチェッカーの方が早かった。簡便性についても輸液ポンプチェッカーの方が使いやすいという意見が多く寄せられた。また、従来の方法では10mLシリンジの目盛りを目測していたが、輸液ポンプチェッカーでは誤差を小数点までのパーセンテージで表示してくれるため、非常に正確であった。閉塞アラームに関しては、今まではチューブをクランプすることにより閉塞アラームが鳴るかどうかのみの確認しか行っていなかった。しかし、輸液ポンプチェッカーを用いた場合は閉塞アラームが鳴った際の圧力が記録されるため、L、M、Hそれぞれの閉塞圧も測定できた。また、この輸液ポンプチェッカーを用いれば点検中に目を離していたとしても閉塞した段階で止まってくれるため、他の作業と平行して行えるというメリットもあった。総じて当院における輸液ポンプチェッカーの有用性は高いと考えられた。