第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

中毒

[P62] 一般演題・ポスター62
中毒02

Sat. Mar 2, 2019 11:00 AM - 11:40 AM ポスター会場21 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:藤塚 健次(前橋赤十字病院 高度救命救急センター 集中治療科救急科)

[P62-4] 致死量を内服したカフェイン中毒に対して血液浄化が有効であった1例

小田 裕太1, 小尾口 邦彦2, 福井 道彦2, 藤野 光洋2, 大手 裕之2 (1.倉敷中央病院 救急科, 2.市立大津市民病院)

カフェインは,コーヒーやエナジードリンク,眠気除去薬などに含まれており,容易に手に入れることが可能である。過量摂取による致死的不整脈,意識変容などで死亡することもある。しかしながら,治療法が確立されていない状況である。本症例では,致死量のカフェインを摂取したが,早期に血液浄化療法を行い,良好な転帰を得られたので,報告する。症例は,社会不安障害や適応障害の指摘のある17歳男性。自殺企図で,市販の無水カフェイン剤(無水カフェイン9.7g含有)を内服し,嘔吐を訴え,1時間半後に当院へ救急搬送された。来院時のバイタルサインは,意識レベルはJCS:I-1,血圧131/79mmHg,脈拍97/min,呼吸数20/min,SpO297%(室内気)であった。来院後,興奮症状・不穏症状の中枢神経症状が出現したために,気道確保目的で気管挿管・人工呼吸管理を行い,急性カフェイン中毒に対して,血液浄化療法を行った。来院時の血液検査では,カリウムが2.2Meq/Lと低カリウム血症を認めた。心電図では,洞性頻脈を認めていた。その後,臨床症状の改善が速やかに認められたために,翌日には抜管・血液浄化から離脱を行った。第3病日に,希死念慮のために精神科病院に転院となった。急性カフェイン中毒においては,早期の血液浄化療法により,良好な転帰を得られることが期待できる。