[P63-1] Daily Goals Worksheet運用の効率化への取り組み
【背景】他職種連携は現在の集中治療において重要な課題であり、良好なコミュニケーションが求められる。Daily Goals Worksheet(DGW)は毎日の方針を明確にすることで医療者間のコミュニケーションの質を高めるのみならず、患者ケアの安全性や治療への動機付け、他職種への教育の機会を与えることが示されている(1)。当院では平成22年9月よりDGWを独自に作成し、運用してきた。当初は手書きから始まり、平成27年にエクセルファイルでの作成に変更し、平成30年から統合型臨床情報システムGAIAで作成している。規格の変更における変化などにつき紹介する。【DGWの運用】DGWは1患者につき1日1枚作製し、チェックリスト部分とゴール作成部分とから構成される。チェックリスト部分は人工呼吸器関連バンドルとカテーテル管理、薬剤管理、深部静脈血栓症および消化管出血の予防部分から構成されている。ゴール作成部分には患者管理上の問題点と到達目標を自由にリストアップできるようにし、毎日午前に行われる主診療科医師とのカンファレンスまでに記載を終了し、閲覧可能な場所に配置した。日勤終了時に立案した到達目標の達成状況を夜勤医師とともに確認し、引継ぎ時に参照する。【経過】手書きからPCでの入力に変更したことで前日の引用や訂正が容易になり、DGW作成時間は短縮した。全患者の管理上の問題点一覧を作成し一枚の紙にプリントして携帯することで、ベッドサイドでの患者評価の要点が明確になった。カテーテル管理などの単純な項目については、手書きよりも記載漏れが減少した。さらにGAIAシステム上での作成では患者情報が自動でDGWに取り込まれるため、患者基本情報の混同がなくなった。PCに保存されたDGWは電子カルテ上から院内ネットワーク端末のいずれからでも参照可能となり、集中治療部以外の部署からでもDGWの到達度が確認できるようになった。【結論】DGWの作成方法を手書きからPCに変更したことで、DGW作成の負担は軽減し記載漏れは減少した。院内ネットワーク上での閲覧が可能となり、集中治療部以外からも患者経過を確認することができる環境となったことは、主診療科を含むチームでの情報共有に有用である。(1)Crit Care Med 2014;42:1797-1803.