第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

チーム医療

[P63] 一般演題・ポスター63
チーム医療03

Sat. Mar 2, 2019 2:00 PM - 2:50 PM ポスター会場1 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:瀬尾 勝弘(小倉記念病院 麻酔科・集中治療部(救急部) )

[P63-2] 当院重症系病棟における急性期栄養サポートチームの活動について

岡本 竜哉, 丸山 紗季, 原 英子, 小谷 文乃, 大胡 麻里子, 月坂 裕里加, 岡本 真由美, 田中 志穂, 笹井 恵美子, 山田 和彦 (国立国際医療研究センター 栄養サポートチーム)

目的:ICUなどの重症系病棟は、特定集中治療室管理料を算定しているため、栄養サポートチーム(NST)加算が算定できない。当院のようなopen ICUでは、栄養管理が主治医任せであり、そのことが栄養管理の不統一性や、漫然な細胞外液のみの補液、そして早期経腸栄養開始の妨げとなっており、一般床と同様にNSTの介入が望まれる。方法:そこで、2013年5月よりICU医師2名、看護師2名、薬剤師2名、管理栄養士2名よりなる急性期NST(重症系きいろチーム)を一般床のNST(内科系あおチーム、外科系みどりチーム、血液内科あかチーム)と独立して組織し、入室後1週間以上栄養の立ち上げが進まない症例を抽出し、週1回のラウンドを行ない、栄養状態の評価、病状に応じた経静脈栄養や経腸栄養の処方の提案など積極的な介入を行っている。結果:2013年5月からの約6年間で、のべ3615例のICU入室患者に対しのべ358例(598件)の介入を行った。診療科内訳は、外科29%、脳神経外科21%、心臓外科11%、循環器内科15%、内科系21%であった。6年間を通じ介入患者数は増加傾向であった。症例あたりの介入回数は1回(62%)、2回(22%)で、5回以上の介入を行った症例が3%に見られ、消化器系の基礎疾患(下部消化管穿孔、食道がん、腹膜偽粘液腫、膵液瘻など)を有する症例が多かった。当ICUの平均在室日数は3.4日であるが、急性期NSTで介入した症例の在室期間は7-13日(42%)、14-20日(22%)と長く、平均在室日数は13.8日であった。ICU退室後も長期の介入を要する症例が見られた。結論:NST加算算定不能なICUにおいて栄養アセスメントや栄養プランの提案を行っている。ICU退室後はNST加算が算定可能な一般床チームへ引き継いでいる。活動も6年目となり、収益面での貢献度は少ないが、院内でも徐々に評価されつつある。