第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

チーム医療

[P64] 一般演題・ポスター64
チーム医療04

Sat. Mar 2, 2019 2:00 PM - 2:40 PM ポスター会場2 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:山田 知輝 (大阪警察病院 ER・救命救急科)

[P64-1] 救命救急科における当院のチームアプローチが病院収益に与える影響

小澤 哲也1, 守田 誠司2, 澤本 徹2, 梅鉢 梨真子2, 稲垣 小百合2, 小俣 麻美2, 石塚 久美子3, 鈴木 好3, 佐藤 隆一1, 霜田 直史1 (1.小田原市立病院 リハビリテーション科, 2.小田原市立病院 救命救急科, 3.小田原市立病院 看護部)

【背景】
救命救急センターに理学療法士(PT)が専従することで,人工呼吸器装着期間や集中治療室在室日数が改善することが報告されている.一方,PTを専従配置することが病院収益を改善するか否かは不明である.当院では2016年度から段階的に救命救急センターに病棟専従PTを配置し,現在はその一環として救急科のカンファレンスに参加している.カンファレンスではPTがリハビリテーション(リハ)の適応の有無やリハの進捗状況を報告することで,早期リハの開始や退院調整に関わっている.そこで,本報告ではPTが救急科のカンファレンスに参加することが患者アウトカムならびに病院収益を改善するか否かを調査することを目的とした.
【方法】
各年度の同時期の入院患者を対象とした.調査時期は,救急科のカンファレンスに参加していなかった2016年1~3月をA期間,週1回のカンファレンスのみ参加した2017年1~3月をB期間,毎日カンファレンスに参加した2018年1~3月をC期間とした.調査項目は各期間のリハ依頼件数と対象者の年齢,患者アウトカムとして,リハ開始病日,リハ実施期間,在院日数,病院収益の指標として総実施単位数とリハの実施に伴う収益を算出した.統計解析は各時期における調査項目の比較はχ2乗検定とクラスカルウォリスのH検定にて行った.有意確率は5%未満とした.
【結果】
リハ依頼件数はA,B,C期間の順に84件,120件,146件に増加した.年齢は各期間(A:80[71-87]歳,B:80[74-89]歳,C:81[75-86]歳,p>0.05)で有意差を認めなかった.患者アウトカムについて,C期間はA期間,B期間に比べて有意にリハ開始病日(A:6[4-10]日,B:4[2-6]日,C:3[2-5]日,p<0.05)と在院日数(A:25([4-34]日,B:22[13-39]日,C:17[10-31]日,p<0.05)が短縮した.一方,リハ実施日数(A:14[7-25]日,B:14[6-22]日,C:15[7-28]日,p>0.05)は各期間で有意差を認めなかった.病院収益については,リハの総実施単位数(収益)はA,B,C期間の順に1847単位(374万円),2990単位(622万円),3232単位(681万円)と増加した.
【結論】
PTがカンファレンスに参加することで,リハ依頼件数が増える傾向があり,リハ開始病日が早期化し,在院日数が短縮したことから、患者アウトカムは改善したと考えられた.また,早期リハの開始と依頼件数の増加によって病院収益は改善する可能性が示唆された.