第46回日本集中治療医学会学術集会

Presentation information

一般演題(ポスター発表)

リハビリテーション 研究

[P65] 一般演題・ポスター65
リハビリテーション 研究01

Sat. Mar 2, 2019 2:00 PM - 2:50 PM ポスター会場3 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:濱口純(東京都立多摩総合医療センター救命救急センター)

[P65-6] 当院におけるICU早期離床への取り組み。作業療法士の役割を考えて。

源古 賢一郎, 上地 利明, 比屋根 寛, 赤嶺 涼佳, 神谷 敏之 (南部徳洲会病院)

【背景と目的】近年、集中医療領域における早期離床の重要性とエビデンス、その安全性の報告は増加しているが、その為には多職種による情報共有や協調的な介入が重要である。当院でもH28年9月より、毎朝多職種カンファレンスを実施していた。H30年6月からは、ICU患者様すべてにセラピストが介入し、特に作業療法士の積極的な介入が始まった。そのため今回、作業療法士のICUにおけるADLや精神機能面についての役割について考察したので報告する。【対象・方法】H30年2月から8月にICUに入院した患者様445名をH30年2月から5月(以下A群n=249)6月から8月(以下B群n=196)に分け、年齢、入院診療科、病名、ICU滞在日数、栄養状態、ICU入室・退室時の基本動作、せん妄の有無についてそれぞれを比較・検討した。【結果】患者の年齢や診療科等、基本的な情報に有意差は見られなかった。栄養状態、ICU滞在日数も有意差が見られなかった。しかしながらICU退出時の基本動作については有意差が見られた。【結論】今回の結果から、ICU滞在日数に有意な差は見られなかったが、以前調査したH28年以前の4.6±4.2日と比較してB群は4.1±3.7日と有意ではないものの短くなっていた。基本動作に関してはA群と比較して改善している、これはICUでは「できる動作」と「している動作」の差が大きいことが考えられ、セラピストの介入とカンファレンスによる情報共有が大きな要因と考えられた。これらの基本動作をさらに「しているADL」につなげる事が大切であると実感している。加えて現在、ICUではせん妄のみならず、PICS、認知機能障害など、精神機能面の問題が大きく取り上げられている。作業療法士の専門分野として積極的に取り組んでいきたいと考える。