第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

リハビリテーション 研究

[P66] 一般演題・ポスター66
リハビリテーション 研究02

Sat. Mar 2, 2019 2:00 PM - 2:50 PM ポスター会場4 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:對東 俊介(広島大学病院)

[P66-4] Early Mobilization時の人工呼吸器との同調性について

長谷川 哲也1, 牧野 淳2, 杉 輝夫3, Lonny Ashworth4 (1.地域医療振興協会横須賀市立うわまち病院リハビリテーション科, 2.地域医療振興協会横須賀市立うわまち病院集中治療部, 3.社会福祉法人 社会福祉協会 湘南病院 リハビリテーション室, 4.Boise State University Department of Respiratory Care)

【背景】
急性期医療におけるEarly Mobilization(以下、EM)の重要性は広く周知され、人工呼吸器装着中であっても、積極的に行われている。この際、患者に不快感を与えず、継続的にEMが実施できるように、医療者側は人工呼吸器と患者の同調性を高めることに務めなければならない。
【目的】
本研究の目的は、健常成人を対象に、運動中の人工呼吸器との同調性、呼吸困難感に関して評価し、EM時に最も適している人工呼吸器設定について調査することである。
【方法】
本研究はBoise State Universityの倫理委員会の承認を受け実施された。対象は紙面にて同意の得られた健常成人20例(男性10例、女性10例)である。人工呼吸器はCovidien Puritan Bennett 840を用いた。モードはCPAP+PS(5cmH2O  Inspiratory Termination 以下、IT:50%)、CPAP+TC(100% IT:50%)、PAV+30%(IT:10L/min)、PAV+60%(IT:10L/min)を使用した。対象者は、人工呼吸器回路と7.5mmの気管内チューブに繋がったマウスピースを咥え、ノーズクリップを装着させた。2分間椅子座位で人工呼吸器での呼吸に慣れた後、トレッドミル上で2.5mile/hourの速度で2分間歩行を行った。その後、Modified Borg Scale(MBS)にて呼吸困難感について評価した。各対象者は3分間の休憩の後に次のモードでのトレッドミル歩行を行った。被検者はそれぞれ、上記の手順で4つのモードでのトレッドミル歩行を行い、最終的に4つのモードにおける呼吸困難感についてランク付けを行った。モードの順番は被検者それぞれランダムに実施した。また人工呼吸器のグラフィックをビデオカメラにて録画し、asynchronyの総数を算出した。統計処理は統計ソフトR3.4.1を使用し、各モードにおけるasynchronyの平均回数に対して一元配置分散分析を実施した。
【結果】
モード間において有意差は認めなかった(df=3, F=1.704, p=0.173)が、CPAP+PSにおいてasynchronyが少ない傾向にあった。
【結論】
本研究の結果から、EM時には患者の呼吸機能に応じた、モードの設定、各種サポート圧の設定等を進めていくことが重要であると考えられた。