第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(ポスター発表)

リハビリテーション 研究

[P66] 一般演題・ポスター66
リハビリテーション 研究02

2019年3月2日(土) 14:00 〜 14:50 ポスター会場4 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:對東 俊介(広島大学病院)

[P66-6] 当院におけるICU専任理学療法士配置による効果の検証

福澤 賢, 片 茉記子, 西山 未南, 井上 雄太, 永田 功, 松本 卓, 武居 哲洋 (横浜市立みなと赤十字病院 リハビリテーションセンター)

【背景】近年、ICUでの早期リハビリテーション(以下リハ)に関する研究が多数報告され、ICUにおける早期リハが注目されている。当院では、2015年度より早期リハを目的にICUの多職種カンファレンスに理学療法士が参加し、2016年度には、1.ICU特有の病態やデバイス・リスク管理等に対する知識と離床技術の向上、2.他職種との情報共有やリハ実施時間調整の円滑化を図り、ICU専任理学療法士を配置した。【目的】本研究は、ICU専任理学療法士の配置による効果を検証する事を目的とした。【方法】当院ICUに集中治療部主科で入院し、リハ依頼のあった患者のうち、死亡、48時間未満の人工呼吸器装着、入院前低ADL症例を除いた患者56人を研究対象とし、2015年4月から2016年3月までのカンファレンス参加群(A群)27人と、2016年4月から2017年度3月までの専任配置群(B群)29人の2群に分類した。評価項目は、ICU滞在日数、病院滞在日数、人工呼吸器装着期間、車いす乗車/歩行それぞれの開始までの日数、退院時Barthel Indexとした。【結果】平均年齢(A群71.6歳、B群59.0歳、p<0.001)、性別(男性:A群16人(62%)、B群26人(90%),p<0.05)は両群間で有意差を認めた。評価項目は、中央値でICU滞在日数(A群9日、B群6日、p=0.168)、在院日数(A群37日、B群49日、p=0.394)、人工呼吸器装着期間(A群6日、B群4日、p=0.188)、車いす乗車開始までの日数(A群7日、B群7日,p=0.357)、歩行開始までの日数(A群9日、B群7日、p=0.4)、退院時Barthel Index(A群47.5、B群85、p=0.157)、の何れも両群間に統計学的有意差を認めなかった。【結論】ICU専任理学療法士の配置による効果が認められなかった要因として、専任配置前からICU多職種カンファレンスに参加し、職種間での早期離床に対する意識づけやリスク管理の共有が既にできていた事や、理学療法プログラムが専任配置後も従来通りであった事が考えられた。現在当院では早期離床リハチームを結成し、リハに取り組んでいる。今後もICUにおけるリハ介入の効果を更に検証していく。