[P7-5] 穿孔性腹膜炎からの敗血症ショックに対しPMX-DHP、PDFにより適切に管理し得た症例
【背景】敗血症性ショックの死亡率は30~50%と依然高く、有効な治療法の開発は最優先事項である。PMX-DHPは敗血症の予後に改善に関してcontrovercialであるが、適応(MODs>9かつEAA0.6~0.9)を選択すれば予後を改善すると言われている。PDFは肝臓の支持療法として急性肝不全時に使用される。肝臓の改善を支持することにより、全身状態の改善が望まれる。今症例では全身の支持療法に加え、PMX-DHP、PDFを併用することにより良好な集中治療管理をなしえたので報告する。【臨床経過】80歳 女性 147cm 37kg [現病歴]当院搬送1日前に自宅の床で倒れているのを家人が発見。介助により自立歩行は可能であった。入室当日朝に意識障害認め救急搬送された。来院時血圧測定不能、頻脈、呼吸不全であり、CT上結腸穿孔の所見を認め緊急手術が施行された。手術後ICU入室となり集中管理開始となった。[身体所見]GCS:E3V1M1 呼吸:酸素6L/min投与下SpO2 81% 循環:HR140bpm 橈骨動脈触知不良 体温36.9℃[血液検査]白血球3400 CRP8.83 PCT71.37 EAA0.7[画像検査]結腸癌による結腸穿孔と便の漏出、肝転移、肺転移[術式]ハルトマン手術[入室後経過]入室時はNoradrenaline0.25γ、Adrenaline0.12γ、Vasopressin2単位/h投与下で循環を維持する状態であった。Hydrocortisone150mg/day、Dobtamine3γを追加したが循環の改善を認めなかった。入室2時間後より乏尿および炎症吸着・除去に対しPMMA膜を用いたCHDFを施行した。また、EAA0.7がであり、PMX-DHPも併用した。入室24時間までにAdrenalineは投与終了し、Noradrenalineは0.04γ、Vasopressin 1単位/hまで漸減できたが、循環は不安定であった。PMX-DHPを24時間で終了し、入室27時間よりPDFを開始し、入室28時間後より循環の安定化を認めた。入室44時間後にはNoradrenaline、Vasopressinは投与終了となった。入室47時間でPDFは終了したが、循環の不安定化は認めなかった。入室7日目にCHDF終了、カテコラミンフリーとなり、同日抜管施行。呼吸循環は安定しており、ICU退室となった。【結論】穿孔性腹膜炎の敗血症に対しPMX、PDFは有効な可能性がある。