[P8-4] 黄色ブドウ球菌性髄膜炎により電撃性紫斑を伴い急激な経過で死亡した1例
【背景】急性感染性電撃性紫斑(以下AIPF)は急速に多臓器不全、ショックから死亡に至る疾患として知られる。髄膜炎菌によるものの報告が多いが、黄色ブドウ球菌によるものは稀である。
【臨床経過】症例は76歳男性。糖尿病に対して通院中であった。一週間前に首を捻って近医を受診した。その後徐々に動けなくなっていった。某日遂に立ち上がれなくなり当院へ救急搬送された。救急隊現着時よりショックであり、来院後より直ちに集中治療管理を開始した。検査上は明らかな感染巣は指摘できず、一方で頭蓋内出血を認めた。一時的に循環動態は安定し尿量も得られるようになったが、搬入11時間後より再度急激に血圧低下を来した。血管収縮薬の増量などで対応したが反応せず、搬入18時間後に死亡した。体表には電撃性紫斑を認めた。後に判明した血液培養と髄液培養からStaphylococcus aureusが検出されたことにより髄膜炎によるAIPFであったと診断した。
【結論】黄色ブドウ球菌によるAIPFではToxic Shock Syndromeを合併する場合も報告されている。一方で両側副腎出血から副腎不全、ショックに陥るWaterhouse-Friderichsen症候群(以下WFS)を合併した報告もある。本症例の一度安定傾向となった後に二峰性に増悪した経過からはWFSを合併した可能性も考えられた。AIPFでは急速な経過を辿ることが多く、病歴や臨床所見から迅速にかつ手広く想定をしつつ対応していかなければ救命の可能性は出てこない。今後も情報の集積が必要である。
【臨床経過】症例は76歳男性。糖尿病に対して通院中であった。一週間前に首を捻って近医を受診した。その後徐々に動けなくなっていった。某日遂に立ち上がれなくなり当院へ救急搬送された。救急隊現着時よりショックであり、来院後より直ちに集中治療管理を開始した。検査上は明らかな感染巣は指摘できず、一方で頭蓋内出血を認めた。一時的に循環動態は安定し尿量も得られるようになったが、搬入11時間後より再度急激に血圧低下を来した。血管収縮薬の増量などで対応したが反応せず、搬入18時間後に死亡した。体表には電撃性紫斑を認めた。後に判明した血液培養と髄液培養からStaphylococcus aureusが検出されたことにより髄膜炎によるAIPFであったと診断した。
【結論】黄色ブドウ球菌によるAIPFではToxic Shock Syndromeを合併する場合も報告されている。一方で両側副腎出血から副腎不全、ショックに陥るWaterhouse-Friderichsen症候群(以下WFS)を合併した報告もある。本症例の一度安定傾向となった後に二峰性に増悪した経過からはWFSを合併した可能性も考えられた。AIPFでは急速な経過を辿ることが多く、病歴や臨床所見から迅速にかつ手広く想定をしつつ対応していかなければ救命の可能性は出てこない。今後も情報の集積が必要である。