[P83] 一般演題・ポスター83
呼吸 研究02

[P83-2] High–velocity nasal insufflationの陽圧効果の検討

宮崎 勇輔¹, 伊藤 渉¹, 川本 雄也¹, 廣瀬 元², 小尾口 邦彦² (1.兵庫県立尼崎総合医療センター ER総合診療科, 2.市立大津市民病院 救急診療科・集中治療部)

【背景】　
近年、呼吸不全に対してHigh flow nasal cannula(以下HFNC)の使用が広まってきている。その一つの有効な機序としてはPEEPを含めた陽圧効果が謳われることがあるが、懐疑的な意見も見受けられる。またHFNCの中でもPrecision Flow™ (VAPOTHERM，USA)は細口径のプロングを使用し、流速を高めることでその有効性を発揮すると謳われ、High- velocity nasal insufflation(以下HiVNI)と言われている。HiVNIにおける陽圧の効果を検証した研究は報告がない。
【目的】
HiVNIはその特性により、通常のHFNCと比較し、高い陽圧を確保できることが予想される。今回、HiVNIと通常のHFNCにおいて咽頭圧に差が出るかを検証した。
【方法】
15名の健常被験者(男性8名,女性7名)に協力してもらい、鼻腔から圧力計を鼻咽頭に挿入。HFNC使用下で流量設定を変更し、開口・閉口時の平均咽頭圧の計測を行った。HFNC器機として通常のHFNCとしては、Evita Infinity® V500(Dräger,USA)の酸素吸入モードを使用、HiVNIとしてPrecision Flowを使用した。
【結果】
両群とも流量に比例し平均咽頭圧の上昇を認めたが、開口時にはその圧は著明に低下を認めた(Fig1.)。閉口時、同一流量間で比較した場合には、有意にHiVNI群において高い平均咽頭圧を認めた。
【結論】
HiVNIは通常のHFNCと比較し、高い平均咽頭圧を維持できる可能性がある。その陽圧効果が呼吸不全に対して有効性が発揮されることが期待される。