[P83-6] ICUにおける気管挿管患者に対する口腔ケア後の汚染物質除去方法の検討
【序論】本研究ではVAP予防の一つである口腔ケアに着目した。口腔ケアにおいて破壊したプラークなどの汚染物を確実に除去し、流れ込みを防ぐことは重要である。
そこで汚染物の除去方法として、従来の洗浄法と口腔ケアキットQケアR(以下Qケア)による効果と口腔ケア方法による口腔内環境やVAP発生の差検討した。
【方法】対象:カフ上吸引付き気管チューブで経口挿管し人工呼吸管理を受けた20歳以上の患者。入室前に抗菌薬投与歴がある者や終末期と判断された者は除外した。
期間:平成29年12月~30年7月。
方法:介入前は、水道水による洗浄法を実施し、介入後はQケアを用いた。またQケアの効果を高めるため継時的評価ができる口腔ケアアプリケーションを併用した。
評価項目は、細菌学的検査、口腔内細菌数、ATP値、口腔内水分量、客観的口腔内アセスメント(ROAG)、およびカフ汚染範囲とした。
分析はSPSSVer.17を使用し、記述統計及び2群の差を対応のないt検定で検討し、P<0.05を有意水準とした。当該施設の倫理審査委員会の承認を得て実施した。
【結果】対象者は介入前17名、介入後10名。介入前の平均年齢は67.45±9.52歳、APACHEスコア15.76±3.49、介入後の平均年齢は65.60±8.59歳、APACHEスコア15.30±2.95で、両群に有意差はなかった。
細菌学的検査では、ほぼ常在菌であった。
口腔内環境の指標である介入前の口腔内水分量は21.84±5.27、ROAG8.65±1.84で、介入後の口腔内水分量は24.97±3.80、ROAG7.80±1.62で、両群に有意差はなかった。ブラッシング後のATP値は介入前の方が有意に低下した。細菌数の有意差はなかった。抜管後のカフ汚染は両群に有意差はなく、VAPの発生もなかった。
【考察】カフ汚染度やVAP発生は両群で差はなかったため、どちらの方法においても流れ込みは同等であると考える。口腔内環境では、細菌数において介入前後で有意差はなかったが、ATP値では介入後より介入前の方が有意に低下していた。
よって口腔内の清浄化において洗浄による効果が認められている。しかし、本研究で認められた口腔内細菌は常在菌であり、頻回な洗浄による口腔内の常在菌数減少から自浄作用の低下も懸念される。よって、口腔ケア時の毎回の洗浄は必ずしも必要ではなく口腔内状態に応じたケアが必要だと考える。
【結語】ブラッシング後のATP値では、介入前の方が介入後より有意に低下した。介入前後でカフ汚染度やVAP発生に差はなかった。
そこで汚染物の除去方法として、従来の洗浄法と口腔ケアキットQケアR(以下Qケア)による効果と口腔ケア方法による口腔内環境やVAP発生の差検討した。
【方法】対象:カフ上吸引付き気管チューブで経口挿管し人工呼吸管理を受けた20歳以上の患者。入室前に抗菌薬投与歴がある者や終末期と判断された者は除外した。
期間:平成29年12月~30年7月。
方法:介入前は、水道水による洗浄法を実施し、介入後はQケアを用いた。またQケアの効果を高めるため継時的評価ができる口腔ケアアプリケーションを併用した。
評価項目は、細菌学的検査、口腔内細菌数、ATP値、口腔内水分量、客観的口腔内アセスメント(ROAG)、およびカフ汚染範囲とした。
分析はSPSSVer.17を使用し、記述統計及び2群の差を対応のないt検定で検討し、P<0.05を有意水準とした。当該施設の倫理審査委員会の承認を得て実施した。
【結果】対象者は介入前17名、介入後10名。介入前の平均年齢は67.45±9.52歳、APACHEスコア15.76±3.49、介入後の平均年齢は65.60±8.59歳、APACHEスコア15.30±2.95で、両群に有意差はなかった。
細菌学的検査では、ほぼ常在菌であった。
口腔内環境の指標である介入前の口腔内水分量は21.84±5.27、ROAG8.65±1.84で、介入後の口腔内水分量は24.97±3.80、ROAG7.80±1.62で、両群に有意差はなかった。ブラッシング後のATP値は介入前の方が有意に低下した。細菌数の有意差はなかった。抜管後のカフ汚染は両群に有意差はなく、VAPの発生もなかった。
【考察】カフ汚染度やVAP発生は両群で差はなかったため、どちらの方法においても流れ込みは同等であると考える。口腔内環境では、細菌数において介入前後で有意差はなかったが、ATP値では介入後より介入前の方が有意に低下していた。
よって口腔内の清浄化において洗浄による効果が認められている。しかし、本研究で認められた口腔内細菌は常在菌であり、頻回な洗浄による口腔内の常在菌数減少から自浄作用の低下も懸念される。よって、口腔ケア時の毎回の洗浄は必ずしも必要ではなく口腔内状態に応じたケアが必要だと考える。
【結語】ブラッシング後のATP値では、介入前の方が介入後より有意に低下した。介入前後でカフ汚染度やVAP発生に差はなかった。