第46回日本集中治療医学会学術集会

Presentation information

一般演題(ポスター発表)

チーム医療

[P88] 一般演題・ポスター88
チーム医療05

Sun. Mar 3, 2019 11:00 AM - 11:50 AM ポスター会場6 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:村中 烈子(医療法人徳洲会八尾徳洲会総合病院ICU)

[P88-6] 「術直後管理の標準化~マニュアル改訂とチームステップス導入~」

椿野 雅子, 頃安 まや, 宮崎 里佳 (兵庫県立姫路循環器病センター)

<目的>安全な術後管理を行うために役割分担を明確にし、チームステップスを導入したマニュアルに基づく実践を行い、標準化された術直後の管理に取り組んだので報告する。<方法>1)H29年6月術直後管理について既存のマニュアルでシミュレーション実施し現状を把握。2)H29年8月看護師・医師・臨床工学技士の多職種でマニュアル内容を検討。3)H29年9月夜勤4人体制での術直後管理を想定し時系列で必要な役割と事前打ち合わせ・それぞれの行動確認の復唱を記したマニュアルに改訂。4)H29年9月~10月カンファレンスで改訂後のマニュアルの運用について啓発と周知。5)H29年10月から改訂後マニュアルの運用開始。6)H30年5月~7月に実施された緊急手術15件についてマニュアル通りに実施できたかを監査。本研究は兵庫県立姫路循環器病センター看護部倫理委員会の承認を得て実施した。<成績>監査の結果、手術室からの退室前連絡の後、術直後管理に関わるスタッフで事前打ち合わせが95%実施できていた。その後リーダーが役割分担の指示は100%実施できていた。リーダーは主治医の口頭指示を復唱し声に出し受け持ち看護師に伝達することが66%実施できていた。また受け持ち看護師は投与中の薬剤名・流量・接続を声に出しリーダーと共に確認することは72%で実施できていた。メンバー看護師はモニタリング開始後の値を声に出し伝えることが66%実施できていた。もう1名のリーダー看護師も術直後の患者以外の観察、家族対応等の役割が100%実施できていた。<結論>今回、役割分担を明確にした行動マニュアルを作成したことで、ヒヤリ・ハット3b(濃厚な処置や治療が必要になる)事例が過去2年間で2件発生していたが、導入後は0件であった。また、新たに手術室退室時の状況について事前打ち合わせを追加したことで、事前に患者の状態を情報共有でき、予測的観点より必要な準備を進める行動変容に繋がった。さらに、チームステップスを導入したことで一つひとつの役割が確実に素早く実施できお互いの行動確認となった。しかし、重要事項である復唱は7割の実施にとどまっていた。復唱することで不安全行動を未然に防ぐ効果があると言われており、全症例での実施を目指したい。今後も定期的に実施状況を監査し、フィードバックしていくことで、標準化された術直後管理が確実に実施できるように取り組んでいきたい。