[P89-1] 高侵襲悪性腫瘍根治術後の術後早期離床における予見因子の検討
【背景】術後離床の遅延は血栓形成などの短期的合併症のみならず長期的な生活の質に影響するため、術後早期離床は周術期管理の目標の一つである。担がん患者の早期離床は容易でないことが多いが、早期離床に影響する因子は明らかではない。術後早期離床の予見因子を知ることができれば、事前の治療的介入による成功率上昇や離床中の事故減少が期待される。
【目的】高侵襲悪性腫瘍根治術後患者において、早期離床の予見因子を同定する目的に本研究を計画した。
【方法】当院単施設で後ろ向き観察研究を行った。2017年4月から2017年8月に侵襲が特に高いと考えられる肝胆膵外科・食道外科・再建を伴う頭頸部外科の悪性腫瘍根治術後に、集中治療室入室となった131例を対象とした。術後1日目(POD1)に歩行可能群(A群)と歩行不可能群(B群)で術前因子(性別、年齢、Body Mass Index、並存疾患、Geriatric Nutritional Risk Index、呼吸機能)、術中因子(術式、手術時間、術中輸液量、術中出血量、麻酔方法、硬膜外麻酔の有無)、術後因子(術後輸液量、カテコラミンインデックス、SOFAスコア)を比較した。数値は中央値と四分位値もしくは頻度で表記し、群間比較はWilcoxon順位和検定を用いた。
【結果】A群77人(59%),B群54人(41%)であった。術中因子の出血量( A群:309[148-654]ml、B群:641[181-1109]ml, p<0.02)と、術後因子のPOD1朝のSOFAスコア( A群:2[1-3]点、B群 3[1-4]、p<0.04)に有意差を認めたが、術前因子とその他の術中・術後因子には有意差を認めなかった。
【結語】高侵襲悪性腫瘍根治術の術後早期離床に関して、術中出血量とPOD1朝のSOFAスコアが予見因子となる可能性が示された。
【目的】高侵襲悪性腫瘍根治術後患者において、早期離床の予見因子を同定する目的に本研究を計画した。
【方法】当院単施設で後ろ向き観察研究を行った。2017年4月から2017年8月に侵襲が特に高いと考えられる肝胆膵外科・食道外科・再建を伴う頭頸部外科の悪性腫瘍根治術後に、集中治療室入室となった131例を対象とした。術後1日目(POD1)に歩行可能群(A群)と歩行不可能群(B群)で術前因子(性別、年齢、Body Mass Index、並存疾患、Geriatric Nutritional Risk Index、呼吸機能)、術中因子(術式、手術時間、術中輸液量、術中出血量、麻酔方法、硬膜外麻酔の有無)、術後因子(術後輸液量、カテコラミンインデックス、SOFAスコア)を比較した。数値は中央値と四分位値もしくは頻度で表記し、群間比較はWilcoxon順位和検定を用いた。
【結果】A群77人(59%),B群54人(41%)であった。術中因子の出血量( A群:309[148-654]ml、B群:641[181-1109]ml, p<0.02)と、術後因子のPOD1朝のSOFAスコア( A群:2[1-3]点、B群 3[1-4]、p<0.04)に有意差を認めたが、術前因子とその他の術中・術後因子には有意差を認めなかった。
【結語】高侵襲悪性腫瘍根治術の術後早期離床に関して、術中出血量とPOD1朝のSOFAスコアが予見因子となる可能性が示された。