第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

リハビリテーション 研究

[P89] 一般演題・ポスター89
リハビリテーション 研究03

Sun. Mar 3, 2019 11:00 AM - 11:50 AM ポスター会場7 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:卯野木 健(札幌市立大学看護学部)

[P89-3] 人工呼吸器装着患者における早期リハビリテーションの効果

大石 竜也, 藤本 晃治, 高橋 健二, 佐藤 直子, 山角 洋子 (山口県立総合医療センター ICU)

【背景】当院ICUでは、早期リハビリテーション(以後、早期リハビリとする)促進を目指し多職種カンファレンスにリハビリ部門が参加できるようシステム構築を行った。その結果、リハビリ介入までの期間が短縮し(8.26±4.47日→3.70±2.25日 p=0.000)、リハビリ介入件数が増加した(213件→317件)。また対象者を挿管下での人工呼吸器装着患者に限定した結果、ICU入室後のリハビリ紹介までの日数(6.42±3.58日vs 2.79±1.02日 p=0.000)、初回リハビリ実施までの日数(7.07±3.60日vs 3.5±1.28日 p=0.000)でカンファレンスにリハビリ科が介入した群で有意に紹介、介入が早期にできていた。クリティカルケア領域において、早期リハビリによる人工呼吸器装着患者への有益な効果を示した報告があり、今回当院ICUにおける効果を明らかにしたいと考えた。【目的】人工呼吸器装着患者に対して早期リハビリを行うことによる効果を明らかにする。【方法】研究デザインは後方視的調査研究とした。研究対象者は、1.ICUへ緊急入室、2.18歳以上、3.挿管下での人工呼吸器管理を受けた、4.ICU在室日数5日以上、28日未満、5.ICU入室中にリハビリ介入があった患者とした。研究対象者を早期リハビリ介入前・後の2群(以後、介入前群、介入後群とする)に分け、ICU退室までの群間の各調査項目について統計処理(t検定、χ二乗検体)を行った。【結果】対象者数は介入前群が14名、介入後群が24名であった。患者背景では群間で有意差はみられなかった。ICU退室までの人工呼吸器装着日数(8.35±5.29日vs 8.66±8.26日 p=0.901)、挿管時間(145.28±114.37時間 vs 143.41±156.78時間 p=0.969)、鎮静時間(143.21±107.65時間vs 151.12±191.01時間 p=0.887)、退室時P/F比(310.85±118.24 vs 304.50±90.10 p=0.660)、ICU入室日数(11.78±5.29日vs 12.12±7.66日 p=0.884)、入室中せん妄発症期間(1.78±3.88日vs 1.54±5.71日 p=0.888)において有意差はみられなかった。せん妄発症の件数ではせん妄発症者数が8人(57.14%)vs 4人(16.66%)で介入後群ではせん妄発症件数が有意に減少していた(p=0.009)。【結語】人工呼吸器装着患者に対して早期リハビリを行うことで、せん妄発症の件数が低減できる可能性が示唆された。