[P89-4] HCUにおける継続的リハビリテーション介入による在院日数短縮の効果の検証
【背景、目的】 2017年3月に再編成された集中治療センターとして、HCUでは日々の多職種合同カンファレンスの実施と、理学療法士と協働したリハビリテーション介入するプログラムを導入した。この導入前後の在院日数を比較評価することで、リハビリテーション介入とそれに協働した看護ケアの効果の検証を行った。【方法】(1)対象午前と午後1日2回のリハビリテーションプログラム導入前の2017年4から6月と、導入後2018年1から3月で、それぞれ土日を含む7日間以上在室したHCU入室患者38名(死亡退院および再入室患者を除く)(2)調査方法対象患者の診療録から、基本属性、リハビリテーション介入による離床状況および実施日数・回数、Barthel Index、朝カンファレンスにおける情報共有、リハビリテーション実践時の看護師の協働状況、HCU在室日数および退室後在院日数、入院形態・入院日数および最終転帰(3) 分析方法リハビリテーションプログラム導入前・後の2群に分類し、HCU在室日数、退室後在院日数、入院日数について違いがあるかをMann WhitneyのU検定を行った。また基本属性について、2群間で有意差がないかをχ2検定を行なった。【結果】 リハビリテーションプログラム導入前群・後群それぞれ19例で、入院日数(p=.402)、HCU退室後在院日数(p=.525)と有意差が認められなかった。またリハビリテーション介入日数・回数においても有意差は認められなかった。基本属性のうち、既往歴の有無において、p<.005で有意差を認めた。【結論】 1.リハビリテーションプログラム導入による患者の入院日数の短縮は認められなかった。しかし、既往歴保有に関して有意差を認め、平均年齢が後群で上昇しているにもかかわらず入院日数に延長が認められず、自宅への退院率が前群と同様であったことから、リハビリテーション介入の効果も寄与している可能性があった。2.今後の課題として、より効果的に理学療法士など多職種との連携し協働するために、患者の状態を適切に把握し、リハビリテーション介入の調整を図っていく必要がある。